競馬ニュース 競馬ニュース

前哨戦は勝てるのになぜ? 凱旋門賞、日本馬に残る『479kg以上5着以内ゼロ』と良馬場の意外なデータ

海外競馬 フランス

2026/10/4 07:10

2013年凱旋門賞

 日本馬の悲願、長く勝利を追い続けている凱旋門賞。

 1969年のスピードシンボリから2025年まで、延べ38頭が挑戦してきた。最高着順は2着。1999年のエルコンドルパサー、2010年のナカヤマフェスタ、2012、13年のオルフェーヴルがあと一歩まで迫った。2023年にはスルーセブンシーズが4着、2025年はビザンチンドリームが5着に入っている。

 その長い挑戦の歴史を振り返っていて、気になる数字がある。

 馬体重だ。

 ただし、フランスでは日本のようにレース当日の馬体重が公表されない。そのため、以下の数字は凱旋門賞当日の馬体重ではない。

 本稿では原則として、各馬が凱旋門賞へ出走する前に、日本で最後に出走したレースで計量された馬体重を使用している。

 渡仏後に馬体重が増減している可能性は当然あり、海外滞在が長かった馬や古い時代の馬については、国内で計量された時点から凱旋門賞まで期間が空いているケースもある。

 あくまで「各馬がおおよそどの程度の馬格だったのか」を見るための参考値だ。その前提で、直近国内馬体重、凱旋門賞での結果、馬場状態を並べるとこうなる。

過去の結果

(※1)表の馬体重は凱旋門賞当日のものではなく、原則として凱旋門賞前の直近国内出走時。
(※2)2022年はレース直前の降雨で馬場がさらに悪化した。

 表を見ると、まず一つの偏りが目につく。1999年以降、凱旋門賞で5着以内に入った日本馬は、確認できる直近国内馬体重では全て478kg以下だった。

 エルコンドルパサー472kg、ナカヤマフェスタ466kg、オルフェーヴル456kgと464kg、キズナ478kg、スルーセブンシーズ446kg、ビザンチンドリーム454kg。3位入線後に失格となったディープインパクトも442kgだった。

 逆に、479kg以上では5着以内がない。ここは「500kg以上」という区切りよりも気になる。480kgのフィエールマン、486kgのシンエンペラー、488kgのクリンチャー、490kgのドウデュース、492kgのアロヒアリイ、498kgのジャスタウェイなど、500kg未満でも479kg以上の馬は上位5着以内に届いていない。

 もちろん、この数字だけで「478kg以下なら走る」「479kg以上なら走らない」と線を引くことはできない。実際、474kgのヒルノダムールは10着、462kgだった2011年のナカヤマフェスタは11着、478kgのクロノジェネシスも7着だった。

 軽ければ走る、という単純な話ではない。それでも、5着以内に入った馬の直近国内馬体重が478kg以下に集中していることは事実として残る。

【動画】凱旋門賞枠順

2着4回は1回が不良、3回が重

2013年凱旋門賞・キズナ

 もう一つ気になるのが馬場状態だ。

 日本馬が2着した4回は以下。

1999年 エルコンドルパサー 不良

2010年 ナカヤマフェスタ 重

2012年 オルフェーヴル 重

2013年 オルフェーヴル 重

 キズナも2013年の重馬場で4着。2023年のスルーセブンシーズは稍重で4着、2025年のビザンチンドリームも重馬場で5着に入っている。逆に良馬場では、5着以内に入った日本馬はいない。

 2006年のディープインパクトは3位に入線したものの後に失格。良馬場で最も上位だったのは、2014年ハープスターの6着となる。「日本馬は欧州の重い馬場が苦手」とだけ考えると、この結果は少し引っかかる。

 好走馬はむしろ、重い馬場でも結果を残している。もちろん、これだけで馬場と馬体重の因果関係を結びつけることはできない。ただ、「重い欧州芝だから日本馬が走れない」という説明だけでは、過去の結果を整理し切れないことは確かである。

大型馬でも前哨戦は勝てる

プランスドランジュ賞・クロワデュノールと北村友一騎手 (C)平松さとし

 さらに興味深いのが、凱旋門賞の前哨戦だ。2016年のマカヒキはニエル賞を勝って本番へ向かった。直近国内馬体重は502kg。しかし、良馬場の凱旋門賞では14着だった。2021年のディープボンドも502kg。天皇賞・春2着から渡仏し、パリロンシャン芝2400mのフォワ賞を勝利。それでも本番は14着に終わった。

 この2頭を見ると、大きな馬だから欧州の芝を走れない、とは言えない。2400mそのものが問題とも言い切れない。現地の前哨戦では実際に勝っているからだ。

一方で、オルフェーヴルはフォワ賞を勝って凱旋門賞2着。キズナはニエル賞1着から4着。2025年のビザンチンドリームもフォワ賞を勝って本番5着につなげた。現地の前哨戦を走れても、凱旋門賞になると結果が分かれる。ここが、このデータで最も気になるところだ。

前哨戦と本番は何が違うのか

パリロンシャン競馬場

 ここからは仮説になる。フォワ賞やニエル賞と凱旋門賞は、同じ2400mでも要求される負荷が同じとは限らない。凱旋門賞では欧州の一線級が揃い、多頭数の中で位置を取り、ペースの変化に対応しながら2400mを走り切る必要がある。

 頭数によっては追い切りのようなレースにもなり得る前哨戦なら問題にならない差が、本番の強度まで上がった時に表れる。その一つに、自分の身体を最後まで運び続ける効率があるのではないか。

 過去に5着以内へ来た日本馬を見ると、単に身体が小さかったわけでもない。エルコンドルパサーはジャパンCを勝ち、ナカヤマフェスタは宝塚記念を制覇。オルフェーヴルは三冠馬で、キズナは日本ダービー馬だった。

 スルーセブンシーズは宝塚記念でイクイノックスにクビ差まで迫り、ビザンチンドリームは3000mのレッドシーターフHを勝ち、天皇賞・春でも2着に入った。比較的軽い馬体でありながら、一線級の出力と持続力を持っていた。

 凱旋門賞で求められるのは、単なる「軽い馬」ではなく、軽い身体で高い出力を維持できる馬とも推察できる。

そして今年は…502kgと494kg

アドマイヤテラとメイショウタバル

 では今年はどうか。

 日本から凱旋門賞に出走するのは、メイショウタバルとアドマイヤテラの2頭。メイショウタバルは国内最終戦となる宝塚記念を502kgで勝利。アドマイヤテラは、国内最終戦の札幌記念で494kgだった。

 それでも、過去に5着以内へ入った日本馬が、確認できる直近国内馬体重では全て478kg以下だったことを考えると、今年の2頭はいずれもこれまでの好走馬より重い。

 馬体重と馬場状態。この二つだけで結果を説明することはできないが、過去の挑戦を並べると、いくつかの偏りは確かに残っている。

 メイショウタバルとアドマイヤテラが、この数字にどんな答えを出すのか。注目の発走は日本時間10月4日(日)23時05分頃。

コメントを書く

コメント
名前

※誹謗中傷や名誉毀損、他人に不快感を与える投稿をしないように十分に注意してください

内容はとても良いですが、aiくさい文章なのでそこだけどうにかしてください

2026.10.5 ななし