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【エプソムC回顧】馬を信じた浜中騎手との絆

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2017/6/13 04:07

2017年6月11日(日)東京競馬場・第11R・エプソムカップ(G3・3歳上・芝1800m)は、5番人気の浜中俊騎手騎乗ダッシングブレイズ(牡5・栗東・吉村圭司厩舎)が1/2馬身差で悲願の重賞初制覇。2着には1番人気アストラエンブレム(牡4・美浦・小島茂之厩舎)、ハナ差3着に6番人気マイネルハニー(牡4・美浦・栗田博憲厩舎)が入った。勝ちタイムは1分45秒9(良)。昨年の東京新聞杯、同コンビで1番人気を背負って落馬競走中止(浜中騎手は骨折の大ケガ)となった因縁の舞台で、見事に悪夢を払拭しての重賞初勝利。東京の芝は前が残る完全な先行馬場、しかも前半がスローで流れ上がりが速い後傾ラップを、上手くいつもよりも前に付けた浜中騎手の好騎乗が実を結んだ形だ。

2歳のデビュー勝ち時から大物と言われた外国産馬ダッシングブレイズ。しかし、人気を裏切る「ちょっとだけ足りないレース」でクラシックには無縁。ようやく3歳秋から3連勝と波に乗り、迎えた4歳初戦が1番人気の東京新聞杯。最後の直線、スペースの無い狭いインを強引につき、内ラチに接触してラチの内側まで放り出された浜中騎手。左手を4ヶ所骨折する大ケガとともに、馬も怖がりにしてしまう最悪の結果だった。その後、中団からのレースではどうしても重賞に手が届かなかったダッシングブレイズだったが、フルゲートを12番枠から果敢に先行して、最後に坂でもう一伸びしての重賞初制覇。見事な変わり身を見せた馬と、馬を信じてリズムを大切にした浜中騎手との絆の勝利だった。

レースは、予想通り7番マイネルハニーが荒れた内を避け芝の良いところを軽快に逃げ、1番人気10番アストラエンブレムが番手をキープ、12番ダッシングブレイズも予想以上にスタートが出たため控えずにその直後。この日の芝のレースは馬場の真ん中を先行した馬が残っていたので、有力場が前に行く展開は予想できたことだが、実際にそう乗れるかは別問題。結果、1?3着がこの3頭なので、前に行った騎手の判断が素晴らしかったということになるのだろう。

逃げたマイネルハニーの前半3ハロンは36秒1のスローペースで淡々と流れ、4角へ。馬場のいい真ん中を逃げるマイネルハニー、その外を回してしまったアストラエンブレム、直線入口でマイネルの内をついたダッシングブレイズ。このときのわずかな位置の差が勝敗を分けたように感じた。前残り必至の馬場では後からの馬に出番はなく、最後は3頭の叩き合い。浜中騎手の渾身のムチに応えたダッシングブレイズに対して、前半でやや掛かり気味だったアストラエンブレムは、やはりジリジリとしか伸びなかった。デムーロ騎手の談話によると、最後にブレーキを踏んでしまい、いつも足りないレースになってしまうが、堅実に上位には来る馬だ。前半に楽をしたマイネルハニーも本来の粘り腰。東京では2000mまでは確実に馬券内に来ていることも覚えておいて損は無いだろう。

勝ったダッシングブレイズは、父がKitten’s Joy、母がBlazing Bliss という外国産馬。ちょっと重厚感のある北米芝マイラー血統で、これまではマイルを中心にという使われ方をしているが、1800mを勝ったことで今後のレース選択も変わってくるだろう。18戦7勝。

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