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「たくさんのものを背負っているから」父の“生き様”を前に、息子の心が動いた有馬記念…日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第6話レビュー(ネタバレあり)
2025/11/22 20:45
TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第6話が、11月16日(日)に放送された。競馬の世界を舞台に“人と馬の20年”を描く大作で、主演は妻夫木聡。共演には佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、黒木瞳、小泉孝太郎、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠ら豪華キャストが顔をそろえる。原作は、山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞した作家・早見和真氏の同名小説。
ロイヤルホープは数々の好走を見せながらもG1には届かず、迎えた4度目の有馬記念でついにラストランを迎える。しかし結果は、宿敵・椎名善弘(沢村一樹)のイマジンドラゴンと激戦の末敗れ、悲願の達成は叶わなかった。
がんで体が限界に近づく中、山王耕造(佐藤浩市)は有馬記念の当日、中山競馬場へ行くことができなかった。その不在を惜しむ椎名に、栗須栄治(妻夫木聡)が問いかける。「どうして社長のことを認めてくださるのですか?」椎名は静かに答える。
「たくさんのものを背負っているからです。私は、たくさんの人の想いを引き受けている人が好きなんです」
耕造が背負ってきたものーー馬の命、生産地・日高の誇り、仲間の期待、家族の痛み、そして自分の罪と矛盾。勝敗を超えた“背負い続ける姿”が、ライバルの心を動かしていた。
【動画】ホープをここまで連れてきてくれて本当にありがとう父親の生き様に触れた息子

栄治は、耕造と息子・中条耕一(目黒蓮)が会う機会を作ろうと奔走する。しかし耕造は自らの弱った姿を見せることを恐れ、言葉を失う。
「俺はこの有様だ。あいつに何を言えばいい」とそんな耕造の問いに、栄治は静かに寄り添った。「ただ会うだけではダメでしょうか。そして、その後のことは耕一様がお決めになると思います」
結果として二人は会えなかったが、有馬記念の後に耕一は“初めて自分から”栄治に会いたいと連絡を送る。
雨の中、中山競馬場でロイヤルホープが最後まで走り抜いた姿を見て耕一の“閉ざされた心”がわずかに動いた瞬間だった。耕一が見たのは、父の言葉ではなく、父が生涯貫いた“走り続ける生き様”だった。
背負うという生き方の継承

これまでのエピソードが「想い」「血」「夢」といった多様な“継承”を描いてきた中で、第6話が浮かび上がらせたのは、耕造という男が生涯をかけて示してきた “背負うという生き方の継承” だったのかもしれない。
耕造は、馬の命や日高の誇り、仲間や家族の想いまで…多くのものを背負い続けてきた。その姿を目の当たりにし、耕一は初めて“父という存在が抱えてきた重さ”を理解し始める。そしてそばで見守る栄治もまた、その背負ってきたものを受け取る覚悟を固めていく。
第6話は、父の背中を見た息子の心がわずかに開き、物語の“継承”が新しい段階へと進んでいく瞬間を捉えた回でもあった。次回予告では、耕造が「ホープの子どもを?」と呟き、栄治が力強く応える。
「私が全力で継承をお支えいたします」
次に描かれるあろう継承は“ロイヤルホープの血”。物語はクライマックスへ向けて、さらに加速していく。第7話は11月23日(日)よる9時放送。

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