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「馬が1人で走るわけじゃありませんから」——人の想いが導いたロイヤルホープのデビューV …日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」第4話レビュー(ネタバレあり)

エンタメ

2025/11/6 12:03

『ザ・ロイヤルファミリー』第4話の場面カット ©TBSスパークル/TBS

 TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第4話が、11月2日(日)に放送された。競馬の世界を舞台に“人と馬の20年”を描く大作で、主演は妻夫木聡。共演には佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、黒木瞳、小泉孝太郎、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠ら豪華キャストが顔をそろえる。原作は、山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞した作家・早見和真氏の同名小説。

 警戒心が強すぎるロイヤルホープのジョッキーを探すため、栗須栄治(妻夫木聡)は調教師の広中博(安藤政信)と一緒に、岩手競馬所属の佐木隆二郎(高杉真宙)のもとを訪ねる。かつて中央競馬に挑みながら夢半ばで地元・盛岡に戻った隆二郎に、栄治はロイヤルホープの騎乗を依頼するが、彼はその“再挑戦”の誘いを断った。

 一方、馬主の山王耕造(佐藤浩市)は注目馬の特集に「ホープの名前がないんだよ」と苛立ちを口にする。そんな耕造に対し、栄治は静かに語りかけた。

 「馬が1人で走るわけじゃありませんから。周りにどれだけの人間がいるか。どれだけの想いを注いできたか。それによって、この予想図はいくらでも書き換えられると思いますので」

【動画】日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」第5話予告

“父と息子の絆”が導く、生き方の継承

『ザ・ロイヤルファミリー』第4話の場面カット ©TBSスパークル/TBS

 隆二郎を説得する糸口を探す栄治は、ライバル馬主の椎名善弘(沢村一樹)から、隆二郎が競馬学校時代に起こした暴力事件の真相を聞かされる。それは、盛岡にある実家の厩舎を侮辱されたことが原因だった。家と家業、そして誇りを守るために起こした行動だったのだ。

 再び説得に訪れた栄治に、隆二郎は胸の内を明かした。

 「俺が出たら、実家はどうなるんですか。一度はここを出て中央を目指した人間なんですよ。それなのに尻尾巻いて帰って来た俺なんかに居場所をくれたんですよ。親父たちは。何も言わずに。なのに、もう一度出ていくなんてできると思いますか」

 その言葉には、親への感謝と、自らの弱さを認める誠実さがにじんでいた。しかし、息子の想いを聞いた父・隆文(盛岡の調教師)は、背中を押す。

 「ここはお前がいなくても潰れたりしねえ。俺は自分の足で立って死ぬ。だから、お前はお前でちゃんと立て」

 それは、親から子へと託された“生き方の継承”。留まっていた息子を送り出すための、覚悟の言葉だった。

 時を経て隆二郎の中央移籍と、ロイヤルホープのデビュー戦での騎乗が決定。迎えた2歳新馬戦、ロイヤルホープは椎名の馬・ヴァルシャーレを圧倒的な強さで抜き去り、鮮烈な勝利を飾った。その瞬間、父と息子、それぞれの誇りと覚悟が重なり合った。

 祝勝会の席で、記者の平良恒明(津田健次郎)は栄治に語りかける。「社長、ホープ、そして佐木隆二郎。みんな順風満帆じゃないとこがいい」

 盛岡で地方競馬を支え続けた父の想いを受け継ぎ、再び中央で夢を追うことを決意した隆二郎。彼の背中には、父の想い、仲間たちの願い、そしてチーム“ロイヤルファミリー”の信頼があった。

 ――「馬が1人で走るわけじゃありませんから」
 
 その言葉の通り、隆二郎とロイヤルホープの勝利は、多くの人の想いが紡いだ結果。第4話は、人と人とが支え合い、想いが“継承”されていくことの尊さを描き出した回となった。

“血の継承”と“想いの継承”が交錯する新展開

『ザ・ロイヤルファミリー』第4話の場面カット ©TBSスパークル/TBS

 物語の鍵を握る男・中条耕一(目黒蓮)がついに登場。元ホステス・中条美紀子(中嶋朋子)の息子であり、耕造の“隠し子”であることが明かされた。

 父と子の絆、そしてチームの信頼がひとつの夢へと向かう中、“血の継承”と“想いの継承”が交錯し、物語はさらなる深みへと進んでいく。第5話は11月9日(日)よる9時放送。

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妻夫木さんの演技が、当然ですが役になり気り光ってます。竹内結子さんと共演の学生と華族のお嬢様との恋愛の映画の尼寺の門前で雨で濡れながら倒れる一場面が、わすれられないです。いっもその役に心から表現しており感動し引き込まれて拝見しています。これからも良い演技を見せて下さい

2025.11.24 マカロン