競馬ニュース
夢を語ることの素晴らしさを伝えたい!競馬を舞台に始まる20年の物語、日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』
2025/10/11 12:07
TBS系日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』が10月12日(日)よる9時から放送を開始する。主演は妻夫木聡。共演には佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、黒木瞳、小泉孝太郎ら豪華キャストが出演し、競馬の世界を舞台にした20年にわたる人間ドラマが展開される。原作は山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞した作家・早見和真氏の小説。放送開始を前に第1話試写会と加藤章一プロデューサーの合同取材会が行われ、作品の魅力や制作の狙いが明かされた。
第1話で描かれるのは、税理士の栗須栄治(妻夫木)が人材派遣会社「ロイヤルヒューマン社」を築いた山王耕造(佐藤)と出会う物語の始まりだ。栗須はある出来事をきっかけに税理士としての仕事で大きな挫折を経験し、希望を見失っていた。そんな彼がある仕事の依頼から、耕造とともに北海道の生産牧場やセリ会場を回ることになる。ここから栗須の人生は大きく動き出していく。
耕造は豪放磊落(ごうほうらいらく)なワンマン社長のように見えるが、馬を見る目は独特だ。馬そのものではなく「その馬の後ろにいる人間を信じて投資する」という哲学を持ち、さらに「1頭でも多くの馬の余生を健やかにしたい」という思いも抱いている。単なる金持ちの馬主ではなく、人と馬の関係に深い信念を持つ姿が浮かび上がり、栗須の心を動かしていく。
北海道では、栗須の元恋人である野崎加奈子(松本若菜)との再会も描かれる。実家の牧場を手伝う彼女と再会するシーンは、挫折していた栄治が再び夢や情熱を取り戻すきっかけとして重要な役割を果たす。過去と現在が交差する物語は、家族や人間関係の再生というテーマにもつながっていく。
また、第1話では耕造がライバル馬主・椎名善弘(沢村一樹)とセリで競う場面も登場する。血統背景の確かな馬が次々と競り落とされ、価格は億単位にまで跳ね上がる。
作品のテーマは「継承」

合同取材会で加藤Pは「“競馬”ということがどうしても前に出てきてしまうのですが、『競馬を知らない人がどう楽しめるのか』ということを一番に考えて制作していますので、競馬のことぜんぜん知らない人にもぜひ観て頂き、『こういう世界なんだ』と楽しんでもらえると思います」と語った。
もともと競馬に馴染みがなかったという加藤Pは、制作にあたり徹底した取材を行った。「実は僕は競馬をやっていなかったのですが、もちろん本やネットで調べてから取材に行きました。でも、本やネットで調べた情報だけではぜんぜん歯が立たなかったです。みなさんにお話を聞くうちに、競馬の世界がどういうふうにして成り立っているのかがわかってきました。そういう時間がすごく楽しかったです」と振り返り、現場取材の積み重ねが作品に反映されていることを強調した。
さらに、作品全体のテーマについては「大きくは『継承』ということがテーマで、競馬を題材にした20年間の物語とうたっています。が、『家族』が再生していく部分もあるし、新たな繋がりができる部分もありますので、家族の温かさや、仲間との絆などの部分も楽しんで頂きたいです」と語った。
また、現代社会との関わりについても言及した。「今は多くの方が『生きづらい』と言われると思います。色んな悩みもあるし、先行きが見えないといいますか、癒しがないといいますか・・・夢を持ったり、何かに熱くなるということがしづらい世の中なのだなと感じています」としつつ、「そんな時代だからこそ、山王さんのように『俺の夢はこうだ』と言ってみたり、『こうやるんだ』と情熱を持ったりすることがいっそうすばらしいことに感じます」と力を込めた。
そして「人前で夢を語ったり、熱くなったりする姿を観て頂いて、『明日から頑張ろう』と思ってもらえたら嬉しいです」と視聴者へのメッセージを締めくくった。
第1話の試写会と合同取材会を通じて見えてきたのは、単なる競馬ドラマではなく、人の再生や家族の絆を描いた人間ドラマとしての厚みだ。日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』は10月12日よる9時にスタートする。
コメントを書く