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【凱旋門賞】エイダン・オブライエン師が送り込む三冠牝馬ミニーホーク、歴史を継ぐか!?追加登録で本気の参戦…昨年3着ロスアンゼルスも仕上がり良好

海外競馬 フランス

2025/10/1 12:05

A.オブライエン調教師 (C)France Galop

 10月5日、世界最高峰の舞台・パリロンシャン競馬場で行われる2025年の凱旋門賞(G1・芝2400m)。アイルランドの名伯楽エイダン・オブライエン調教師(バリードイル=ティペラリー州)は、今年も2頭の有力馬を送り出す。3歳牝馬ミニーホークと、4歳牡馬ロスアンゼルスだ。

 ミニーホークは、出走にあたり追加登録(登録料12万ユーロ)が必要だが、すでにイギリス国内のブックメーカーで一番人気に推されている。エプソムオークス、アイリッシュオークス、ヨークシャーオークスを制し、1970年以来わずか7頭しか達成していない偉業を成し遂げた。かつては名牝エネイブルも同じ三冠を制し、その勢いのまま凱旋門賞を勝って歴史に名を刻んでいる。ミニーホークもまた、その軌跡をたどる可能性を秘めており、鞍上には同レースを2度制した名手クリストフ・スミヨンが迎えられる。

 一方のロスアンゼルスは、昨年の凱旋門賞で3着に粘った実力馬。今年は「この一戦」を最大の目標にローテーションが組まれ、満を持しての参戦となる。今回はウェイン・ローダン騎手との新コンビで挑む。

 オブライエン調教師はこれまでにディラントーマス(2007年)、ファウンド(2016年)で凱旋門賞を制覇。シーズンG1・28勝という世界記録を含め、数々の偉業を打ち立ててきた。その名伯楽は、今年の挑戦について共同会見で熱く語った。

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ミニーホークへの信頼

 まず、ミニーホークへの信頼を示す言葉から始まった。「彼女には常に大きな期待をかけてきました。185万ユーロという高額で落札した1歳馬で、じっくり時間をかけて育ててきたんです。デビュー戦では息子ジョセフが管理する馬に敗れましたが、その後のアイリッシュオークスで逆転を果たしました」

 続けて、成長の過程を振り返る。「2歳時にはわずか2戦しか使えなかったため、今年はやや出遅れていました。まずチェスターのトライアルで始動し、次にエプソムへ。そこで一気に頭角を現しました。その後カラ(アイリッシュオークス)、ヨーク(ヨークシャーオークス)と進むにつれ、調教でも目に見えて成長が感じられました。直近の追い切りも非常に良かったですし、週末に初めて跨ったスミヨンも大満足の様子でした」

 さらに、多頭数の舞台への不安を問われるとこう答えた。「確かに大きな馬群は初めてですが、非常に扱いやすい馬です。エプソムでも多頭数を経験していますし、序盤のスピードで楽に好位を取れるので心配はしていません。前に行くことも嫌がらず、自在性のある馬ですから」

 そして、未知の挑戦こそが楽しみだという。「ミニーホークはまだ他国の3歳牝馬と直接対戦していません。ですから、実際にぶつかってみなければ分からない。そこがチャンピオンシップレースの面白さであり、私たちを惹きつける部分なんです」

ロスアンゼルスの仕上がり

 一方、古馬ロスアンゼルスについては自信をにじませつつも、慎重に言葉を選んだ。「凱旋門賞は彼を1年かけて準備してきたレースです。昨年は展開が理想ではなかったものの、勝ち馬との差は僅かでした。あらゆる馬場に対応できますが、少し渋った馬場が一番合うでしょう」

 そのうえで、復調の経緯を丁寧に説明する。「アスコット(プリンスオブウェールズS・5着)では厳しい競馬になり、思った以上に消耗しました。その後は予定通り休養を挟みましたが、復調には時間がかかりました。それでもカラのロイヤルウィップS(4着)、ロンシャンのフォワ賞(4着)と徐々に良化。前走後から一気に調子を戻し、今は本当に良い状態です。成熟した古馬として臨めるのは大きな強みです。あと数日ありますが、これ以上ないくらい満足しています」

 最後に、名伯楽にとって凱旋門賞の意味を尋ねると、言葉に力がこもった。「我々は毎年、ベストの馬を用意して凱旋門賞に挑んでいます。世界的に最も権威あるレースの一つであり、勝つのは本当に難しい。能力だけでなく、展開や運も味方につけなければなりません。これまで2度勝つことができたのは幸運でした。凱旋門賞は、生産者、馬主、騎手、そしてファンを魅了する特別な存在です。開催時期も、舞台がパリという点も完璧です。唯一無二のレースだと、私は思っています」

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