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【凱旋門賞】グラファール師が語る“三本の矢”…ダリズ・ゲゾラ・キジサナの可能性

海外競馬 フランス

2025/10/1 06:10

ゲゾラ (C)France Galop

 2025年、すでにG1を10勝(うち7勝はフランス)と圧倒的な戦績を積み重ね、フランス調教師リーディングを快走するF.グラファール調教師が、9月30日に共同会見に臨んだ。10月5日(日)に迫った世界最高峰の大一番「凱旋門賞」へ、自身初の勝利を目指して3頭を送り出す。出走予定ダリズ、ゲゾラ、キジサナ。いずれも厩舎が誇る精鋭である。会見でグラファール師は、3頭それぞれの特徴を丁寧に語った。

 まずダリズについては「常に高く評価してきた馬で、アガ・カーン軍団の3歳牡馬の中でも最も優れていると考えていた」と強調する。ただし気性はまだ若く、馬体の大きさゆえにジョッケクルブ賞やパリ大賞典といった王道路線は回避。「経験を積ませるためにヨークのジャドモントインターナショナルSに送り込んだが、逃げ馬のペースが速すぎて流れが壊れた。あの敗戦は不満が残った」と振り返った。

 しかしその後のプランスドランジュ賞では日本馬クロワデュノールの2着と健闘。「これで凱旋門賞に挑む正当な資格を得た」と胸を張る。切れる末脚は最大の武器で、血統的にも2400メートルに対応可能。道悪も苦にしないと見ている一方、「大一番で多頭数になると力んでしまうかもしれない」と若さを課題に挙げた。鞍上はミカエル・バルザローナ騎手。主戦とのコンビで大舞台に臨む。

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凱旋門賞初制覇がかかるグラファール師

F.グラファール調教師 (C)Hiroki Homma

 続いてはゲゾラ。「昨冬に厩舎にやってきた時は目立たないタイプだったが、サンタラリ賞で驚きの切れ味を見せて勝った」と成長ぶりを評価。その勢いで挑んだディアヌ賞も制し、クラシックホースの仲間入りを果たした。前走ヴェルメイユ賞ではアヴァンチュールの2着。「仕上がり途上でも現時点での凱旋門賞1番人気馬に対して健闘できたのは非常に大きい」と語る。距離適性や自在性、そして3歳牝馬の斤量利という強みを兼ね備え、「とにかく全力を尽くす馬。道悪も大丈夫。初騎乗となるトム・マーカンド騎手だが、操縦性に優れているので心配はしていない」と信頼を寄せた。

 そしてキジサナについては「力強い牝馬だが、3歳・4歳時は健康面の問題で出走できない時期が多かった」と明かす。それでも能力を高く評価し続けた結果、オーナーの意向で5歳まで現役を継続。「その期待に応えてジャンロマネ賞を快勝し、凱旋門賞の優先出走権を得た」と胸を張る。
 
 「距離2400メートルはベストで状態も申し分ない。ただし馬場が極端に悪化すると切れ味が鈍る点は不安」と慎重に語りつつ、「大飛びのストライドを持つ馬なので、スムーズに走れる流れを望む」と理想の展開を描いた。鞍上はアレクシ・プーシャン騎手。これまでのコンビ経験を踏まえ、確かな手綱捌きに期待する。

 会見を通じ、3頭それぞれの個性と可能性を改めて浮き彫りにしたグラファール師。凱旋門賞制覇という悲願へ向け、準備は整っている。

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