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【佐賀競馬】馬ふんを資源に地域活性化へ…無償配布は全国初の試み
2025/7/19 19:36
佐賀県競馬組合が運営する佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)は、競馬場内に馬ふんを堆肥化する施設を設置し、地域の農家や競馬場の来場者に堆肥の無償提供を開始した。
佐賀競馬場では約700頭の競走馬が飼育されており、日々大量の馬ふんが発生している。これまでは県内外の堆肥化施設への運搬や焼却処分が行われていたが、処分費用の増加が課題となっていた。そこで競馬組合は処分コストの削減と地域農業の支援を目的に、馬ふんを活用した堆肥化施設の整備を決定した。
堆肥化して有益に活用

新設された施設は、競馬場南側の旧駐車場跡地にあり、総事業費は3億1500万円、面積は1225㎡。施設内には一次・二次発酵槽、悪臭吸着槽、ストックヤードなど14区画が整備され、臭気や排水対策にも万全を期している。年間で約656トンの堆肥が生産される見込みだ。
堆肥は土壌改良材として効果的で、4月から馬ふんの搬入が開始され、約3か月の発酵期間を経て完成する仕組み。事前登録した近隣農家には運搬車両での引き取りが可能なほか、特定日には競馬場の来場者に「パッカルくんのおとしもの」というユニークな名前のついた2kg入りの堆肥袋を限定数で無償配布する。
競馬主催者が自ら堆肥を生産し、地域に無償提供する試みは全国初。佐賀競馬は地域貢献とファンサービスの一環として、今後もこうした取り組みを積極的に進めていく方針だ。
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