競馬コラム
【天皇賞・春レース回顧】テーオーロイヤルと菱田裕二騎手、人馬一体の深い絆
2024/4/29 02:23
「ロイ君ありがとう」と菱田騎手は何度もテーオーロイヤルに感謝の言葉をかけた。直線入口から先頭の競馬で押し切る。何度もコンビを組んだ人馬一体のスムーズなレース運びで、強気のロングスパート。深い絆を感じさせる快勝。そこに最大の勝因があったか。
前半1000mの入りは59.7、後半1000mは60秒フラット。中盤も13秒台に緩むことはなく淡々と流れ、残り800mから11.9-11.7-11.6-12.0とスタミナが問われるロンスパ勝負。ステイヤーとしての資質が問われるレースだった。
2着のブローザホーンは中団やや後方から。直線にかける競馬でペースが流れたこともあり上手く末脚がハマった。この馬のスタミナが活きる展開だった。3着はディープボンドは流石の走りで3着。3年連続2着から4年目も馬券に絡んで3着。早めに押し上げていく形で粘りこんだ。スタミナ豊富で能力を出し切った。
4着スマートファントム、5着ワープスピードも後方待機勢。展開の利もややあったか。スマートは内を上手く捌いて来ての4着。初めての古馬一線級相手でも能力を出し切った。まだ4歳で来年が楽しみな一頭。5着ワープスピードも前走阪神大賞典2着でスタミナは豊富。展開も噛み合い現状の能力は出し切った。
ドゥレッツァは全てが噛み合わず
ダービー馬タスティエーラは7着。モレイラ騎手が完璧に運んだようには見えた。前走の大阪杯でも見せ場なく敗れており、適性云々の前に本調子からは遠いのかもしれない。
武豊騎乗のサリエラは12着。71年ぶり牝馬Vの偉業がかかったが見せ場なく後退。ロスなく運んで展開は良いかと思われたが…純粋にこのメンバーでは荷が重かったのか…。
人気の一角ドゥレッツァはまさかの15着大敗。スタミナ勝負の好位3番手とはいえ、あまりにも負けすぎである。クラブからは熱中症と発表があったものの、本質的な適性の問題もあったか。そして鞍上の乗り替わり含めて噛み合わなかった。改めて菊花賞を勝たせたルメール騎手の凄さが浮き彫りになる敗戦だったように思う。
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