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クラブ勝ち上がり率No.1!インゼルレーシング代表・松島悠衣氏に聞く“絶好調の要因”とは?

おはなしコラム

2023/1/20 18:00

インゼルレーシング代表・松島悠衣氏 (C)Hiroki Homma

一口馬主クラブ法人・インゼルレーシング(愛馬会法人・インゼルサラブレッドクラブ)が快調な滑り出しを見せている。初年度募集馬19頭の勝ち上がり率は.421(8頭)で、社台TC(.317)、ラフィアン(.286)、サンデーTC(.267)といった名門クラブの勝ち上がり率を大きく上回る。(数値は2023年1月15日終了時)

設立1世代目から“絶好調”の要因はどこにあるのか。そして、2世代目以降への期待とは…?インゼルレーシング代表の松島悠衣氏にお話を聞いた。

「今までにないクラブのコンセプト」を掲げる

――悠衣さんご自身は、新卒で一度お父様の会社(株式会社マツシマホールディングス)に入社されて、その後早稲田大学の大学院に入り直されたそうですね。

大学を卒業して企画本部に携わり、イベントや新事業、プロジェクトの企画をしていました。昼も夜も父と話していて(松島正昭氏・株式会社キーファーズ 代表。2022年日本ダービー馬ドウデュースの馬主)、“会社のためにもっと貢献したい!”というモチベーションが強い新卒時代でしたね。

でも、自分が“すごいな”と思う方々とお会いするごとに、“このままの我流ではダメかな”、“きちんとした“仕事の型”を見つけないとな“と思い、大学院に入学し直したんです。リスキリングをしてみて、ファイナンス、リーダーシップやデータ解析など、学びもたくさんありました。また逆に、改めて実務面での父のすごさを再認識した部分もありましたね。

――そういった中でクラブ設立のお話が持ち上がってくるわけですが、まさかご自身が代表として経営をされるとは思っていなかったのではないですか?

インゼルレーシング代表・松島悠衣氏 (C)Hiroki Homma

父は本当に巻き込むのが上手いんです(笑) 大学院に入る前に「クラブやるぞ!」と言い出したので、それを前提で学んでいた部分もあって。なので卒論も競馬がテーマでしたし、会社員時代から父がやりたいことを私が実現するというパターンが多かったんです。

信頼して丸投げしてくれるんですけど、いざとなったら助けてくれる。父がバックにいてくれて、すごく安心してできますし心強いですよね。クラブの設立に際しては、「世界のトップブリーダーとの連携」「競馬を身近なものに」「競馬界における持続可能性の追求」の3つを、クラブのコンセプトとして掲げさせていただきました。

――そうしたコンセプトが奏功して、インゼル会員さんの約半数は「初めて一口馬主になった方」だったそうですね。

父の夢に共感してくださった方なら、きっとインゼルも応援してくれるだろう――そんな道筋が元々あったので、もちろん、まずはキーファーズとファンの皆さまの影響がとても大きいです。

日本では競馬人口が非常に多いですが、馬券を買うファンがほとんどで、“馬を持つ”体験をされている人はまだまだ少ない。インゼルとしてはその“裾野を広げる”という部分で貢献できたらという思いもありました。「Insel Fun Fund」もそうした意識で作りましたし、一定の評価をいただいて良かったなと少し安心しているところです。

「クラブ初出走・初勝利」インゼルサラブレッドクラブ、新規募集開始 初年度から“重賞出走”達成…さらなる結果を――代表・大住拓哉氏に聞く

インゼルレーシングは“持ってる”かも?

――初年度募集は全頭、2年目の募集も現在のところ18頭が満口。そして初年度の現3歳世代は勝ち上がり率4割超えと絶好調です。

社台ファーム様、ノーザンファーム様、クールモア、そして三嶋牧場様をはじめとする日高の牧場の皆様と、世界トップクラスのブリーダーさんから良い馬を提供していただいています。一緒くたにしてはいけないんですが、やはりキーファーズで培ってきたネットワークが大きいですよね。結局人対人、人とのつながりで良い馬を選んでいただいて、育てていただいているのが良い馬の輩出につながっていると思います。

あとは…運(笑)クリダームが初出走初勝利を決めてくれて、これは歴代の一口馬主クラブで初のことらしいんですよね。さすがに“持ってるかも”と思っちゃいました(笑)それからアンテロースも勝って、両馬とも夏の間に重賞に挑戦してくれて、日高の牧場さんの馬で勝てたというのもとても嬉しかったです。

クリダーム (C)Yushi Machida

――“持ってる”といえば、2023年のオープニングレース(1月5日・中山1R)でシュバルツガイストが勝利して、これも話題になりましたよね。

本当に良かったです…。セレクトセールで高額でしたし、初戦も期待していたんですがデビュー戦はああいう結果(7着)になってしまって。“どうしよう”と思ったんですけど、結果2023年初めての勝利を武豊さんに決めていただきとてもホッとしましたし、かなり嬉しかったです。

――そうなってくると、2世代目の現2歳も期待してしまいます。まずは出資可能な馬からお伺いできれば。

ノーザンファームの方も「この仔は走る」と自信を持っていたのはローリーポーリーの21(父:Justify)です。まだ気持ちが先行してしまう面はあるようなんですが、距離は持ちそうとのこと。見栄えが良くていい馬なので、じっくりと鍛えていただいて秋くらいにデビューできたら良いのかなと思っています。

テルアケリーの21(父:シルバーステート)は、顔が一番かわいいです(笑)でも、とても背中の感触も良い馬とのことで、セレクトセールが終わったときにノーザンファームさんからも「良い馬買われましたよ」と。友道先生もかなり気に入っていただいているようなので、非常に期待しています。

テルアケリーの21

――その他の馬は既に満口ですが、現時点で目立つ馬など教えていただけたらと思います。

社台ファームではサラフィナ21(父:ブリックスアンドモルタル)が良いようですね。スタッフの方も「1歳になって柔らかい良い動きをするようになった」と期待は大きいです。あとは募集時に1番人気だったムーンライトベイ21(父:キズナ)。心身ともに順調に成長していて、天羽牧場さんも「今までの産駒の中で1番かもしれない」と仰っていました。

デビューが早そうなのはヤンキーブライト21(父:Practical Joke)。スピード感があって騎乗者さんもかなり褒めていらっしゃって、森先生も早めに入厩させたいと仰っていたそう。あと、クリダームと同じ陣営のアルーリングハート21(父:ブリックスアンドモルタル)。この馬もかわいいんです(笑)。だいぶ心身が大人になってきていますし、須貝先生も早めのデビューを見据えていらっしゃるようです。

ヤンキーブライトの21

つながりをより一層大切に、新たなチャレンジも

――ありがとうございます。あとは、クラブ設立時のコンセプトに掲げられていた「持続可能性の追求」ということで引退馬支援も始められたそうですね。

まずはインゼルレーシングで馬運車を作りまして、マツシマの草津の拠点に置いているんですが、必要な際にTCC(Throughbred Community Club)に無償で貸し出しています。引退馬支援に取り組まれている角居先生(元調教師)にも何度もお会いしてお話させていただいているんですが、競馬業界の世界の潮流でもあるので、クラブとしてもしっかり取り組んで広げていきたいと思っています。
※TCC(Throughbred Community Club)とは
引退馬ファンクラブであり、終生飼養を前提として、引退競走馬を[①救い②活かし③支える]をテーマに活動している団体。

――今までの一口馬主クラブにはないコンセプトで、新たな風が吹いているような感じがしますね。

マツシマホールディングスの新しいレストラン「bistro plus・ビストロ プリュス」 Photographed by Shoko Hara

インゼルレーシングに関わらず、事業は「やっぱり人やな」と。競馬であれば会員様をはじめ、牧場の皆様、厩舎の皆様、騎手の皆様、スタッフのみんな。1月には京都にマツシマホールディングスの新しいレストラン(bistro plus・ビストロ プリュス)をオープンするんですが、それもたくさんの人に支えられて「みんなで作っている」という意識が強いです。

名前の”plus”もフランス語で“プラスする”という意味があり。多様な国のエッセンスや食材の力、そして様々な人の力をプラスして、皆様に愛され続ける店として成長していきたいという想いが込められています。そしてこれはたまたまですが、キーファーズにもプリュスという馬がいましたし(笑)本当に、人と人とのつながりをより一層大切にしていきたいなと思っていますね。
(*2022年セレクトセール当歳セッションで、プリュスの初仔(父キタサンブラック)を、インゼルレーシングが落札している)

プリュスの2022

――クラブの運営も3年目を迎えます。コロナ禍も収束に向かい転機になりそうな年ですが、展望をお聞かせください。

インゼルレーシング代表・松島悠衣氏 (C)Hiroki Homma

口取りも解禁されて、ラヴェリテ、シュバルツガイスト、シュニーとクラブとしても会員様との口取りを3度も経験できました。本当に会員様あってのクラブなので、可能性があれば海外へのチャレンジも見据えつつ、サービスの提供や勝てるレースマネジメントをしっかり行っていきたいですね。

本当に、今までは上手くいきすぎて怖いくらいなんですけど、このままの勢いで初年度の募集馬、2年目の募集馬と1頭でも多く、できればみんな勝ち上がってくれたらと思っています。3年目も会員様の選択肢を増やせるように、バラエティに富んだラインナップをご用意できると思いますので、これからも期待していただけたら嬉しいです。

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抽選で全馬はずれました。募集馬を増やしてください。

2023.1.20 シゲピン