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西内荘/装蹄の感触が良かった馬【12/17土曜版】

カリスマ装蹄師・西内荘コラム

2022/12/16 22:20

(C)競馬のおはなし

 いよいよ冬到来のニュースに明日から北海道出張の身にとっては冬将軍は苦手なヤツ。トレセンと違って北海道の牧場では基本的に屋外で装蹄するので寒さで指先の感覚がなくなりますからね。
 
 そんな折、新聞読んでると地方のジョッキーで装鞍中に足の指を馬に踏まれて爪がぐちゃぐちゃになった記事が目につきました。ジョッキーの脚元は無防備ですからね。と言うのは私自身若い頃に、足指の爪を5回ほど剥がしてますからその痛みはよくわかります。

レース前、レース後に蹄鉄を打ち替えていた

 当時の安全靴はドタ靴で重かったので、今の競走馬よりしつけができて無かった時代で、数倍うるさかった馬の装蹄に安全靴は不向きで動きやすい軽い運動靴が主流でした。これは昔の中央競馬だけの習慣ですが、ただでさえうるさい馬を、それもレース前に現地で軽い勝負蹄鉄に打ち替え、レース直後に元の平鉄(当時は鉄の蹄鉄)に打ち戻すという危険な作業があって、担当馬が20頭出走すれば往復40回は打ち替えることになります。
 
 競馬場に馬運車が到着と同時に勝負鉄を打ち始め、それも装鞍に間に合うよう急ぎです。まだ打ち替えが終わらないうちに1Rのファンファーレが聞こえると、今度はレース上がりの馬の打ち戻しも帰りの馬運車に積み込むまでに終わらさないといけなくて、間に合わなければ怒られる。まぁ、従業員時代は過酷だった自慢話ですけど(笑)そこで何度も爪が取れた話しです。馬に踏まれた瞬間、靴の中がぬるっとしたら、やったなってところですけど靴を脱ぐのが嫌でしたよ。経験上、アドレナリンが出てるうちに医務室で浮いてる爪は剥がした方がきれいに治ります。それは馬と同じでした。

 今日、阪神メインのスマートクラージュは久々だった前走からさらに体調アップを感じました。10 Rの久しぶりのロンもパワーアップして帰ってきました。

●中山
10R プラチナドリーム
   ミッションレール

●中京
1R ジーファー
4R リリーバローズ
5R ベンダバリラビア
9R ミルトクレイモー
  クリダーム
  ヤクシマ
11R ゴールドハイアー

●阪神
2R シュニー
4R ロードアクア
8R エイシンピクセル
9R キングズソード
10R ロン
11R スマートクラージュ
12R マイシンフォニー

【装蹄師・西内荘とは】
ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、古くはメジロマックイーンなど、年度代表馬クラスの馬を数多く担当してきた、武豊も認めるカリスマ装蹄師。

脚を持った感触で調子の良し悪しや体調の変化を繊細に感じ取り、蹄の些細な変化を見逃さず、装蹄の方法、蹄鉄の種類などレースに合わせて選択していく事が出来る、装蹄師界の第一人者。

蹄の弱い(薄い)馬に接着装蹄を施すなど、歩様、姿勢の矯正や、蹄の病を装蹄作業の中で治療していくのも西内荘の特徴の1つ。

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