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【天皇賞・秋 回顧】パンサラッサ逃走劇で熱狂

レース回顧

2022/11/1 19:17

天皇賞・秋 レース写真 (C)競馬のおはなし

 3歳馬と古馬が激突した伝統の一戦は、春のクラシック戦線で惜しい2着続きだったイクイノックスが、上がり32.7の凄まじい末脚を炸裂させて古馬を撃破した。

 逃げたパンサラッサが前半1000mを57.4と、超ハイペースの逃げを演出。昨今ゲートの出とダッシュがやや鈍ったかと思われていたが、涼しくなったこの時期が良いのか、スッと出て軽快に飛ばして行く力が完全に蘇っていた。土曜の1勝クラスでも1分58秒5という超高速馬場を生かした見事な逃走劇だった。ラスト3ハロンは36.8と流石に止まったとはいえ、持ち味を完璧に出し切りこのレースを多いに盛り上げた。

 勝利したイクイノックスは中団やや後方外目、いつでも動けるポジションでレースを進めて直線勝負に。道中2番手以下は3秒以上大きく離れて、バビットが単独で逃げている形となり、番手以降は結果的にスローペースで隊列を形成した。後に鞍上のルメール騎手は直線までパンサラッサは「見ていなかった」と振り返っていたが、馬の力を信じたポジショニングで、外をスムーズに回っての加速、能力を最大限に引き出した素晴らしい騎乗だった。32.7の異次元の差し脚を繰り出して、春からの成長も含めてこの世代No. 1と思わせる勝ちっぷりを見せた。

 3着のダノンベルーガも内から素晴らしい伸び脚を見せたが勝ち馬から0.2差、2着のパンサラッサにクビ差とあと一歩届かず。能力は3歳世代でもトップクラスの力の持ち主であることは間違いないが、何か展開などに恵まれない面も。皐月賞でも内枠を引いて厳しいポジションを強いられたが、今回も勝ち馬とはやや対照的なコース取りで、気持ちポジショニングで勝ち馬より劣ったか。内でやや窮屈なところ最内へ切れ込んでいき、32.8と十分な上がりを使ったが、結果的に勝ち馬とは位置取りの差だったのかもしれない。

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最も難しい展開になったジャックドール

ジャックドール (C)競馬のおはなし

 4着のジャックドールは、事実上のスローでキレ負けという印象。スタートも決めて、ポジショニングに選択肢があったようにも見えたが、バビットが番手で作ったペースに付き合う形に。上がり33.5と目一杯の脚は使っているものの、この馬にとっては一番難しい展開になったかもしれない。逃げて押し切れる持続力は何度も示してきているだけに、単騎2番手から早めに捕まえに行く積極策を見てみたかった。前を捕まえられずに、後ろからも差されており、展開、位置取り、総合的に噛み合わなかった。

 5着のシャフリヤールは、海外遠征帰り、プラス10キロでやや余裕残しだったか。昨年の日本ダービー、ドバイでも2400mを勝っており、ベストな距離適性は恐らく2400m、本番は次走予定しているジャパンカップで間違いない。ここを使って必ず良くなってくると見る。

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