残暑というには早く、まだ猛暑の日々が続き、蹄にも異変の兆候が見えています。人間が熱中症になるように、いや馬のほうが暑さには弱いので夏バテしやすく、暑さ対策が必要です。

　厩舎サイドのみならず、獣医さんからも「今年は放牧帰りの馬の蹄が悪くなっている馬が多くないですか？」と相談されることが多々あります。そうなんです、蹄はデリケートで体調に直結するので、暑さ＝夏バテに敏感に反応するのです。

　では、なぜ放牧帰りの馬なのかというと、トレセンの馬房はエアコンやミストを装備した厩舎が多く、エアコンの無い厩舎でも暑さ対策には余念がありません。ですが、休養のための放牧先のすべてがトレセンと同じような施設ではなく、近年は整った牧場も増えたとはいえ、まだ対策が不十分な牧場もあります。そうした環境でこの猛暑にさらされることで、放牧帰りに蹄を悪くして帰ってくる馬が増えたのだと思います。つまり「夏バテ＝蹄の異変」という図式です。

【武豊日記】段々名残惜しい気持ちになりそうです

どちらも負けてほしくないという複雑な心境

　来週木曜日に門別競馬場でブリーダーズゴールドカップがあります。担当するダブルハートボンドとオーサムリザルトが北海道に出発しました。どちらも有力馬ですが、共通して感じるのは、装蹄していて意外にも芝馬の感触であることです。そんな2頭に対しては「どっちが勝つのか」というより「どちらかが負けるのか」のほうが強く、どっちも負けてほしくないという複雑な心境です。

　火曜日まで北海道ですが、レースはTV観戦になるので栗東から応援しています。

●8月23日（土）
・新潟
8R　バシリス

・中京
1R　グルーヴビート
2R　ベルピルエット
3R　キンダープンシュ
6R　トリグラフヒル
7R　ルクスコスモス
10R　スマートスピア

・札幌
3R　フェアリーグレン

●8月24日（日）
・新潟
5R　ポップアップ

・中京
1R　アメリカピース
2R　ドウジャスティ
4R　スマートエレーヌ
5R　ソラーロ
　　アーサーバローズ
10R　チカミリオン
11R　ユハンヌス
12R　ベイリークロア

以上、装蹄から感じた好感触馬です。