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【第92回日本ダービー回顧】皐月賞馬ミュージアムマイルは距離の限界か…クロワデュノール総合力でねじ伏せた2400m

重賞レース回顧

2025/6/2 07:48

日本ダービー・クロワデュノールと北村友一騎手

 6月1日、東京競馬場で行われた3歳クラシックの頂点を決める第92回日本ダービー(G1・芝2400m)は、北村友一騎手騎乗の1番人気クロワデュノール(牡3・栗東・斉藤崇史)が完勝。皐月賞の雪辱を果たし、令和の新たなダービー馬として名を刻んだ。

 前日の大雨の影響で稍重スタートだった東京競馬場。9R以降は「良」に回復したが、超高速馬場ではなかったか。9R青嵐賞を見ても、後方からごぼう抜きの競馬は流石に厳しい印象で、全体的にも隊列の予想が難しいレースだった。

 レースラップの前後半は60.0〜59.5 で、勝ちタイムは2:23.7。全体的にも淡々とした平均ペースを刻んだ。

1着 クロワデュノール
「万能」という表現がぴったりの一頭。スタートから好位をスッと取り、折り合いも問題なし。スピードの持続力も高く大きな欠点が見当たらない。序盤で3番手の外をあっさりと取れたことで理想的な展開に持ち込み、後ろからもドンと来いの横綱相撲だった。切れ味抜群というよりも、前につけてもしっかりと押し切れるだけのスピードと持続力を発揮。総合的に能力の高い走りということに尽きる。

2着 マスカレードボール
枠なりの競馬でも勝負圏内を意識したポジショニング。展開、馬場もしっかり見極めてこのレースではこれ以上ない立ち回り。左回りの爆発力はやはり秀でた感じがあり、パンパンの良なら、そして今回も捲ると見られていたファウストラーゼンが押し上げていたらどうなっていたか。そういうところも含めてレース展開一つで逆転の目はあるように思えた。今後も府中でビッグタイトル獲得の可能性を感じさせる一頭であった。

【動画】3歳馬の頂上決戦・日本ダービー

ルメールの完璧な立ち回り

日本ダービー・ショウヘイとC.ルメール騎手

3着 ショウヘイ
枠を活かした鞍上の見事なポジショニングで2列目のイン。理想的な位置を確保して直線ではサトノシャイニングの後ろからロスなくしぶとく伸びた。しかし、これ以上のない立ち回りで鞍上込みの3着だった感は強い。現時点では勝ち馬、2着馬とはやや力の差を感じる内容ではあった。

4着 サトノシャイニング
行くか下げるか果たして。この馬のポジショニングが一番予想しづらかったのではないか。前日の雨、馬場を考慮したのか一気に先手へ。枠の時点で極端な競馬をしそうだなということは想像出来たが、これしかないという騎乗で4着。1、2コーナーで先頭を譲る際には少し気難しさを出したが、スムーズだったとしても勝ちがあったかどうか。事実上の逃げの手で現時点での能力は出し切った。

5着 エリキング
スタート決まらず今日のところは厳しい展開に。徐々に良くなっているのか、ラストの脚も見どころ十分。今後が楽しみになる走りを見せた。

6着 ミュージアムマイル
位置取りが今ひとつで中団より後ろに。今日の馬場では難しいポジショニング。しかし、直線での伸びがそもそも今ひとつで、後方のエリキングからも交わされているため、馬場、距離も含めて限界を見た感じはある。皐月賞は展開、鞍上のエスコートも噛み合っていたため、力関係が抜けていたわけではない。ベストはマイル、中距離までか。

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