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【武豊日記】競馬あるある
2018/10/25 05:50
菊花賞は10番人気のユーキャンスマイルで3着。スローペースは読めていたんですが、あれほどの超スローとまでは、誰も考えなかったでしょうね。逃げ宣言している馬がいましたが、なんとその馬が出遅れ。これは実は“競馬あるある”とでも言うべき事象で、本当によくあることなのに、起きてから気づくというヤツです。悔いの残る競馬をした気持ちになったジョッキーは多かったはずです。ボク自身は、それなりに満足のできる騎乗。3着で喜ぶわけにはいきませんが、ルメールさんが直線入り口で少し窮屈になったことすら自分の利にしてしまう引きの強さを羨ましく思いながらも、どこかで雪辱をと誓っているところです。
うれしかったのは、菊花賞当日の芝1800mの新馬戦を勝てたこと。例年、素質馬が揃う新馬戦ですが、ボクはセレクトセールで2億4000万円という高値がついたワールドプレミアに騎乗していました。道中や抜け出してからもフラフラするという若さ満載の走りでしたが、一瞬の集中力に将来性を感じました。あれが伝説の新馬戦になるかどうかは、これからの活躍次第ですが、可能性は十分あるはずです。
さて、今週は天皇賞です。豪華メンバーですが、見渡せば先行馬不在。どう見てもスローペースと読めるところですが、これが速いペースに流れたりするのも“競馬あるある”。先入観にこだわらず、臨機の騎乗でマカヒキの高い能力を引き出したいものです。ダービー馬に乗れるというのは、それだけで大変な名誉なのです。
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