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【西内荘コラム】大掃除

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2022/1/8 12:47

 これが新年最初のコラム、今年もよろしくお願いします。JRAの現場で働く私たちの年末年始は実質、元日だけが休みだから、この間は曜日の感覚が分からなくなりがちです。それ自体は仕方ないけど、以前のようにオーラスのG1がホープフルSではなく有馬記念に戻ってほしいものです。

 そうそう、年末の装蹄所の大掃除ではホコリの中から、ひと昔前に使っていた日本製の装蹄道具が現れて掃除の手が止まりました。現在はどれも外国製品が当たり前の時代。日本製を前に古き良き昭和の時代を思い浮かべてノスタルジーに浸るのはわれわれの年代ならわかってもらえると思います。当時、舶来品は高価で装蹄法も欧米とは違っていたので、装蹄道具を自分で造ることもありました。現在は壊れたらポイッと捨てがちの時代ですが、日本製で唯一、今も残っているのが鋭利な削蹄鎌。これは日本人の職人が造ったものが一番だ、と強調できます。例えば海外で日本の装蹄をアピールできるものは…と探すと意外にないのですが、削蹄に関しては優位に立てる技術。なので、削蹄鎌を提供してくれる日本の職人には感謝しています。