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矢作師「コントレイルの仔で凱旋門賞を」コントレイル引退式

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2021/11/29 05:26

 28日、東京競馬場でジャパンカップ終了後、パドックで無敗の三冠馬コントレイルの引退式が行われた。同馬は約2時間ほど前に行われたジャパンカップで見事にラストランを飾り、多くのファンが引退式を見守った。

 コントレイルの引退式での関係者コメントは下記の通り。

馬主・前田晋二氏
「三冠の最後である菊花賞を勝ったときは、涙、涙、で大変嬉しかったです。今日の引退レースを勝てたことも大変嬉しいです。当歳の頃は、この馬は走りませんでした。2歳になり、栗東に入厩してから初めて兄(前田幸治氏)に『この馬を持たないか』と言われ、二つ返事で『ありがとう』と言いました。この馬にはそういう思い出があります。最初はここまで走れるとは思っていませんでした。しかし、東京スポーツ杯2歳Sを勝ってから、段々と走れるようになってきました。矢作厩舎、関係者とスタッフの皆さん、福永ジョッキー、どうもありがとうございました」

矢作芳人調教師
「プレッシャーとの戦いでしたが、本当に楽しい2年間を過ごさせていただきました。今年勝てなかった間は、周囲の雑音が聞こえたり悔しい思いをしていました。今日、こうして皆様の応援のおかげで勝つことが出来て感無量です。先ほど初めて跨り、(馬名の由来どおり)空を飛んでいるようでした。子供も間違いなく空を飛ぶような走りが出来ると思いますし、コントレイルの子供で凱旋門賞を獲りに行きたいと思います」

福永祐一騎手
「この馬はほとんど無観客の中で走っていました。お客様の熱量というものを直に感じる機会があまりなかったので、これだけ多くの人に愛されていたということを、今すごく感じています。コントレイルと過ごした時間は夢のような時間でした。ここまで深く一頭の馬に関わらせていただくことは、近年ではそうありません。オーナーから『この馬を任せる』という言葉を頂き、矢作調教師、金羅君、そして牧場の方々と密に関係を築くことができました。育成期から順調に来た馬ではないということを聞いています。この馬は、どの牧場でも、どの厩舎が管理したとしても絶対に三冠馬になれるという馬ではなかったと思います。牧場、厩舎、そしてジョッキーが三位一体となって作り上げることが出来た三冠馬だと思いますし、それに応えたコントレイルという馬もまた、非凡な能力を持っている馬だと思います。ジョッキーとして、いちホースマンとして本当に得がたい経験をさせていただきました。本当に感謝しています。無敗の三冠馬から生まれた無敗の三冠馬、という流れを継続できる可能性があるのは、コントレイルだけだと思います。そういった馬を競馬場に送り出してくれることを期待しています」

安藤貴英調教助手
「沢山のファンの皆様に見守られている姿を見て、改めて一員として嬉しく思いますし、感謝申し上げたいです。この観客の中でも落ち着いている様子を見ると、扱いやすい馬だったのかなと思います。今日のレースを観て本当に感動しましたし、三冠レースにも携わることができ、すごく良い夢を見させてもらいました。次の仕事に向けてこれからもコントレイルには頑張ってもらいたいです。そして次の感動をコントレイルからもらいたいですし、それに応えるように私たちも仕事を貫けるように頑張りたいと思います」

金羅隆調教助手
「種牡馬入りの話を聞いてから、ラストランはジャパンカップということで、今は無事に走り切ってくれたことにほっとしています。4歳になってから、少し結果が出なかったので、今日の直線の走りは本当に感動しました。今はただありがとうと言いたいです」

【ジャパンC】ルメール「コントレイルはめちゃ強い」レース後ジョッキーコメント

前田幸治氏「第二、第三のコントレイルを作りたい」

生産者・株式会社ノースヒルズ(前田幸治氏)
「牧場を開設して38年、大山ヒルズを創って18年、このような引退式を迎えられてこんなに嬉しいことはないです。全ては、矢作調教師、厩舎のスタッフ、福永祐一騎手、ノースヒルズのスタッフ、大山ヒルズのスタッフのチーム力の結果だと思います。2020年からのコロナ禍で世界中が暗い世の中になり、何とかコントレイルで明るい話題を提供したいと思ってきました。種牡馬として、第2、第3のコントレイルを作りたいと思いますので、これからも応援のほどよろしくお願いします」

 コントレイルは、デビューから7連勝の無敗でクラシック三冠最終戦の菊花賞を制し、1984年のシンボリルドルフ、2005年の父ディープインパクト以来15年ぶりに、無敗のクラシック三冠馬となった。父子2代での3冠は史上初の快挙だった。

◆コントレイル(牡4・栗東・矢作芳人厩舎)
父ディープインパクト、母ロードクロサイド、母の父Unbridled’s Songという血統。馬名の由来は「飛行機雲」。北海道新冠町・ノースヒルズの生産馬で、馬主は前田晋二氏。重賞勝ちは19年東京スポーツ杯2歳ステークス(G3)、ホープフルステークス(G1)、20年皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)、神戸新聞杯(G2)、菊花賞(G1)、21年ジャパンカップ(G1)。通算成績は11戦8勝。