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【天皇賞・秋レース回顧】力は出し切ったコントレイル
2021/11/1 13:07
天皇賞・秋レース回顧
コントレイル、エフフォーリア、グランアレグリアの〝3強〟対決で、戦前から今年1番の豪華メンバーと評されていた天皇賞・秋。レース結果もまた、今年1番といっていい名勝負となった。
ゲートでは大人しく駐立できていたグランアレグリアに対して、コントレイルとエフフォーリアはややガタつき気味。そのまま好スタートを決め、マイルからの転戦馬でもあるグランアレグリアが好位の2番手から。やや出負けしたものの二の脚がついたエフフォーリアが先団後ろの6番手、行き脚がつかなかったコントレイルがさらに後ろの8番手を進む展開となった。
4コーナーから直線入り口にかけて前後の隊列がジワジワと密集。グランアレグリア、エフフォーリア、コントレイルの順に前後1~2馬身の間隔で最後の直線むかえた。
まずは持ち前のスピードで後続を引き離して、ラスト400メートルで先頭に立ったグランアレグリア。しかしそこからのエフフォーリアが凄かった。2馬身ほどあった差を一気に詰めて、残り200メートルで先頭へ。そのまま後ろを引き離して、最後は1馬身差でゴールイン。直後を走っていたコントレイルも同じように伸びたが、エフフォーリアとの差が詰まることはなく、グランアレグリアをクビ差交わすのが一杯だった。
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次走は有馬記念を予定
前を行く有力馬をとらえ、後続を寄せつけなかったエフフォーリアの完勝劇。3歳秋、それもダービー以来のぶっつけ本番で古馬の一線級を下したのだから、その価値は絶大だ。鞍上の横山武史にとっても先週の菊花賞=タイトルホルダーに続く2週連続のGⅠ制覇。22歳の若武者ながら勢いだけではない、貫禄すら感じさせる冷静な立ち回りだった。
次走は順調ならば有馬記念を予定しているとのこと。ハナ差2着に敗れたダービーからさらに100メートル距離が延びる点がポイントだろうが、伸び盛りの人馬がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかが楽しみだ。
ゴール前は同じ脚色で…
2着コントレイルの敗因を挙げれば〝スタート〟となるのだろうが、エフフォーリアを前に見ながら運べたポジションは決して悪くはなく、直線ではより馬場のいい外めから追い上げることができた。それでいてゴール前では勝ち馬と同じ伸び脚で、仮にゴールがもっと先にあったとしても交わすことはできなかったように思える。十分に力を出しての2着で、今回はより強い馬がもう1頭いたということだろう。
これで無敗三冠のあとは3連敗中だが、負けたのは今回とアーモンドアイに敗れた昨年のジャパンC。そして道悪適性の差が出た大阪杯の3着だから、下を向く必要はない。ただし次走予定しているジャパンCでは再び難敵が待ち受けている。今年のダービーでエフフォーリアをハナ差負かしたシャフリヤールだ。秋初戦の神戸新聞杯は不良馬場に泣いて4着に敗れたが、ダービーで見せたパフォーマンスから同馬のポテンシャルも相当に高そう。今月末のジャパンCもぜひ良馬場で、コントレイルとシャフリヤールのダービー馬対決を堪能したい。
グランアレグリアは積極的なレース運びで3着。前後5F60秒5―57秒4の後傾ペースを思えば位置取りにミスはない。直線では一旦、先頭に立ったものの、最後は力尽きた。後続には差をつけており、堂々たる競馬ではあったが、マイル戦ほどの爆発力は見られなかったうえに、そもそも中距離路線の方が相手の層も厚いことを考えれば、よく頑張っていると言えるのではないだろうか。あとはパンパンの良馬場が得意なタイプだけに、良発表ながら昼からシトシトと降り続いた雨の影響も微妙にあったか。次走は不明ながら、12月の香港国際競走ではカップとマイルの両方に登録がある。
4着以下は離されてしまったが、あえて注目馬を挙げれば5着に食い込んだヒシイグアスか。今回は2月の中山記念以来、約8か月ぶりの実戦で、中間の調整過程も必ずしも万全ではないことが伝えられていたが、それでも初めてのGⅠ挑戦で5着に食い込むのだから能力は高い。順調に使い込めるようになれば、どこかで大仕事をやってのけるかもしれない。