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【西内荘コラム】天皇賞春はディープボンドとディバインフォース
2021/5/1 13:33
まだ私たち装蹄師がレース当日に現地で蹄鉄を打ち替えていた時代は関西圏で一番のタイトルレースが天皇賞・春でした。レース直前に調教蹄鉄から軽量のアルミ蹄鉄に打ち替えている時代で、レースは昭和天皇誕生の29日と決まっていました。数々に思い出はありますが、メジロマックイーンとトウカイテイオーの世紀の対決は鞍上がマックイーンに武豊、テイオーに岡部さんとあり大盛り上がり。マックイーンの担当装蹄師だった私にTBSの番組ブロードキャスターから出演の依頼があり<1ミリのかけ>と題して装蹄にスポットをあててくれました。それもあって、直前の装蹄と慣れないTV出演で緊張に拍車がかかったものです。
あれから30年近い年月が流れました。現在の装蹄は直前の打ち替えではありませんが、G1に担当馬を送り出す、いい緊張感は今でも変わりません。
今年は2頭が担当でディープボンドは堂々の有力馬。1年前はどこか力強さに欠けてクラシック戦線でも脇役だったのが、現在はトモ(後肢)が強化されて一段とたくましくなって雄大な印象です。阪神大賞典の勝利により道悪が得意、との声も聞きますけど、私の見立ては完成形に近づきグリップ力が大幅に増したということで全天候型になったと強調しておきます。もう1頭、ディバインフォースは条件馬の身なので盾男・武豊の手腕が頼りですね。