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【武豊日記】競馬に絶対はない
2020/5/29 22:00
オークスから、「勝ち馬はウイニングランをどうぞやってください」とお達しが出て、松山騎手が無人のスタンドに向けてガッツポーズ。ボクらにはスタンドの向こうにたくさんのファンの皆さんの視線を感じているわけで、自然に振る舞った結果です。
今週はダービーウイーク。いつもの年なら、追い切りのスタンドの雰囲気からして高揚していて、取材の多さもダービーならでは。でも、今年は実に静かで寂しいばかりでした。でも、少しずつ光も見えてきました。あんなときもあったな、と笑って思い出話ができることを夢見ながら、今週も感染防止対策を万全にして大一番に臨むつもりです。
土曜日の夜に少し降雨がありそうな天気予報がありますが、今の東京競馬場の馬場はちょっとやそっとでは崩れません。硬いわけではなくて、とにかく走りやすいんです。サトノフラッグは、少し緩い馬場でもこなせそうな体幹の強さが武器ですが、有利な材料になるほどの馬場の変化はないと読んでいます。
皐月賞の上位馬が強い、という下馬評に異論はありませんが、こういうときは都合よく「競馬に絶対はない」という格言を信じるようにしています。
ホースマンなら誰もが勝ちたいのがダービーです。だからこそ、栄光にたどり着いた人馬は、今年も惜しみない称賛に包まれることでしょう。
(C)武豊オフィシャルサイト