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【西内荘コラム】マックイーン落鉄の真相

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2020/5/3 07:40

天皇賞・春は昭和天皇の誕生日だった4月29日にあわせて行われる時代があって、個人的にはその頃の盛り上がりが好きでした。忘れられないのはメジロマックイーンとトウカイテイオーの世紀の一戦。マスコミは大きく報道し、マックイーンの装蹄師だった私にも取材があり、TBSの番組「ブロードキャスター」にも出演させていただきました。ところが発送前にアクシデント発生!マックイーン落鉄のアナウンスに、その場にいた関係者は一斉に私の方を向いたから青ざめました。先週の週刊ギャロップ誌に<半分に折れ曲がった蹄鉄>との表記があったようですが、それは誤りで私自身の名誉のために訂正させてもらいます。曲がったのではなく、折れて欠落です。当時はレース直前に勝負鉄という軽量のカーテンレールをUの字にした蹄鉄を打ち替える時代。マックイーンは後肢の踏み込みが深く、前肢に追突しやすく、衝撃緩和でウレタンを貼っていましたが、返し馬で追突。蹄鉄が割れたのが事実です。早川厩務員が追突癖を承知しており、返し馬で「カツン」と蹄鉄の当たる音を聞いたので発送前に確認して気がついてくれました。発走時点で対処してくれた私の兄弟子は「凄いパワー。真っ二つに割れていた」と驚いていましたが、レースは祈る一心。勝った瞬間は全身が脱力に襲われたものです。そんな思い出がある天皇賞・春に今年は担当馬がいません。