無観客競馬がダービーまで続くことになりましたが、このご時世では仕方なく、私の担当馬のレースは自宅でテレビ観戦が多くなりました。先週の中山グランドJに担当馬は出走していませんでしたが、昨年までMCを務めた私の番組にオジュウチョウサンの石神騎手には何度か出演してもらった縁もありじっくりと視聴しました。距離が4250メートルもあって極悪馬場。距離にバテて、馬場に脚をとられる事故がないように、と願っていたのですが最後の障害でシングンマイケルが転倒。思わす目を背けました。

　随分と昔の話ですが、阪神競馬でお世話になっていた厩務員さんの担当馬が障害レースで首から転倒したことがあります。それでも気丈に厩舎へ戻ってきました。当時はどの馬もボンボリで髪を編んでいたので、レース後はそれを解いて勝負蹄鉄を元の平蹄鉄に打ち戻せば競馬が終わった、と馬は合図を理解します。私が「終わったよ」と肩をポンポンと叩いてねぎらうと、その馬は洗い場の壁に寄りかかるように倒れて亡くなったのです。今回のシングンマイケルと同じ頸椎関節脱臼でした。首の骨が折れても厩舎に戻って厩務員に抱かれて生涯を終える悲しい光景がいとおしくもあり忘れることができません。世の中、疾病で大変なのに暗い思い出話になってしまいましたが、馬は過去も現在もひたむきに走っているので応援してあげてください。

　重賞のマイラーズカップはレッドヴェイロン。相手は強いけど能力は通用すると思います。