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【西内荘コラム】弟子の独立開業促進

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2019/9/21 15:00

 3日間開催の翌週は出走馬の装蹄に費やす日にちが一日少なくなります。机上の計算だけでもわかるように装蹄師は忙しくなるのですが、個人的なことをいわせてもらうと一日に40頭以上の装蹄に四苦八苦していたのは過去のことで、いま現在は余裕でこなせる頭数なのです。

 そのからくりを説明すると規模が小さくなったからです。誤解されると困るのですが、私の装蹄所は指導級を取得したスタッフは順に独立開業を促しています。JRA内はトレセンの在厩馬の数が決まっており、一升枡の中で装蹄馬を分け合っているようなものだから、のれん分けをすれば必然的に規模は縮小します。わたしもキャリアを重ねてふと振り返った時に弟子、孫弟子が育っていることは誇らしく思います。一人でも多く独立させるのは使命ですからね。今までに独立した装蹄師との会話で「一日に60頭、装蹄した」「夜明けから夜遅くまで仕事した」「日付が変わってた」など、ブラック企業真っ青の時代を経験したことを誇らしく語り合ったりもします。

 そんなわけで多少、余裕のできた私は今こそ歯のインプラント治療をするチャンス、と思い立ち治療をスタート。初期段階で歯が抜けている状態。ところがディープインパクトが急逝したことで取材やイベントの依頼が舞い込んできました。そういった場にマスク姿で出向けないので大至急、仮歯をお願いしていますが間に合うかどうか…。歯が抜けていると間抜けに見えてしまうから心配です。