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【宝塚記念レース回顧】パワーアップしたリスグラシューとレーンの見事な手綱捌き

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2019/6/23 22:44

(C)Yushi Machida

 リスグラシューは1番人気のキセキをマークするように、2番手とこれまでとは全く違う競馬を見せて、第60回宝塚記念を制した。

 大外枠も好スタート、好ダッシュを決めて逃げる勢いで先行し2番手のポジションでガッチリとキープした。キセキが作った前半60秒0、後半が58秒9とスローの流れで絶好の展開となりラスト1ハロンから突き放した完勝だった。


2019年の宝塚記念(JRA公式YouTubeより)

勝ちタイム
2分10秒8

前後半
60.0−58.9

レースラップ
12.6–11.4–11.5–12.4–12.1–11.9–12.0–11.6–11.5–11.4–12.4

 スタートからキセキの行きっぷりが悪かったがどの馬も行く様子を見せず、徐々にキセキが行き脚をつけて先手を奪った。道中どの馬も競りかけることなくキセキのマイペースとなり4ハロン目では12秒4、一旦息を入れるとその後はほぼ12秒0前後のラップで推移。ラスト800mから徐々にペースアップしていくロングスパートでキセキ自身は完全に持ち味を出し切った。

レーンの好騎乗

(C)Yushi Machida

 リスグラシューはスローを察してなのか、レーンの好判断で2番手をキープ。この時点でほぼ勝負はあったように思う。結果的に掲示板は先頭から5番手の馬で決着しており完全な前残り。向こう正面でも各馬アクションは無く、前にいる強い馬には絶好の展開だった。キセキを目標に抜け出すだけという展開で、レーンの手綱捌きが見事だったように思う。

 リスグラシューはエリザベス女王杯以来のG1タイトル2勝目。2200mという距離も条件的にベストマッチしていたのだろう。矢作調教師も談話にもあったが「2度の香港遠征を経て馬が力強くなっていた」と、海外遠征明けが結果的にプラスに働き、ハーツクライ産駒の成長力も相まって、昨秋以降完全に充実期に突入。この秋には再び海外遠征も視野に入れているようで益々の活躍が期待出来そうだ。