禁止薬物騒動の件は現場で働いている誰もがポカンとなった事態。いい迷惑でした。グリーンカルを摂取した可能性のある馬の競走除外が発表されたのは土曜早朝。すなわち競馬用に装蹄を完了した後です。それらが今週にスライドする馬がいる一方で、今度は優先馬に押し出される形で除外の憂き目に遭う馬もいる訳ですから、われわれにとっても装蹄のローテーションを調整するのに忙しかったです。

　今週は上半期のグランプリ宝塚記念。梅雨入りの前の時期とあって道悪か否かで、蹄鉄の選択を天気予報頼りにすることがあるのですが、私は今年、担当馬がいないので頭を悩ませる必要がないのが残念。そう言えば、日本でもTV中継があった英国皇室が主催するプリンスオブウェールズSはどしゃ降りの中で行われてましたよね。英国の競馬はもともとタフな馬場なのに、さらにあの雨で極度の重馬場。過去に私がニューマーケットに装蹄道具一式を置いていたのはアグネスワールドからハーツクライまでの期間。欧州は突起物のないフラット蹄鉄、と決まっているのですが、プリンスオブウェールズSのような極悪馬場だとある意味、装蹄師は腕の見せどころ。きっと道悪仕様の細工で対処したことでしょう。