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【ヴィクトリアマイル レース回顧】元々超高速馬場に適正があった説

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2019/5/13 23:09

 異常な高速馬場で、昨年のジャパンカップを彷彿とさせるスーパーレコードが飛び出した。もうここまで来ると適正がどうとか、展開がどうとか、簡単な理屈では中々片付かず、正直何が良いのかわからない。少なくとも絶対能力が問われ、勝負どころでもロスのない捌きが必要とされる展開だったのだろう。


2019年のヴィクトリアマイル(JRA公式YouTubeより)

 前半600mが33.7。10秒台後半を2回も記録し、終始11秒台前半という超高速ラップ。1200m地点でも1分07秒3と、もはやスプリント戦かと思う通過タイムで、ぶっ飛ばしていったアエロリットがパタリと止まるのかと思いきや、際どい所まで勝負を持ち込んでいる。やはり力がある馬が前へ行ければ中々止まらない。このペースで行ったことで結果的に後方待機勢のキレを削いだ格好にもなった。

勝ちタイム
1分30秒5(日本レコード)

前後半
44.8-45.7

レースラップ
12.3–10.6–10.8–11.1–11.3–11.2–11.5–11.7

 各ジョッキーからも『時計が速すぎる』『脚が溜まらなかった』こういう声はチラホラと聞かれた中で、勝った馬は中団馬群の真ん中でじっと脚を溜め、直線入り口から徐々に外に持ち出し、ラストまでしっかりと伸びた。そしてダミアン・レーン騎手は何か良いところにいる。彼の手綱捌きも相まって見事な差し切りだった。しかしこの超高速馬場にノームコアの適正がハマったとは驚いた。

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結果、、、元々適正があった

 振り返ればノームコアが勝利した昨年の紫苑ステークス。中山2000mのこのレースも超高速戦だった。勝ちタイムが1分58秒0。残り1000mから加速ラップで最後まで伸び続けた極めてシビアな内容ではあったのだが、今回も含めて2度の超高速戦を制し『元々超高速馬場に高い適正がある馬だった』、そう捉えるしかない。流石にそれは読み切れなかった。

 そしてプリモシーンは本当に惜しかった。スタートから促していきノームコアを見るようにレースを進めたが、これ以上ない競馬だったように思う。欲を言うなら勝ち馬と枠が逆、またはもう少し内目なら…そういう可能性を感じさせる内容だったのではないか。前を捉えられる位置でしっかりと進め完璧な競馬に見えたが、あれで勝てないのならもう運がなかったとしか言いようがない。ベストのマイル戦でやはり力を発揮した。

 1番人気のラッキーライラックは、結果論だが仕掛けが早すぎたように思う。1度かわしたはずのクロコスミアにゴール前再びひっくり返されている。立場的に人気を背負っている、前にはアエロリットがいた、心理的に色んな要素があったであろうし、勝ちに行った結果の内容で、もはやしょうがない。一旦先頭を伺う勢いで伸び、力あるところは見せた。