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【天皇賞・春レース回顧】ルメールと馬のリズムが噛み合った素晴らしい騎乗
2019/5/1 17:00
平成最後となった第159回天皇賞・春は、ルメール騎乗のフィエールマンが地力に優って勝利を収めた。勝負のポイントとなった部分は、2度に渡るポジションの押し上げだろう。終始前を意識した競馬で絶好のポジションをキープし、馬の力が完全に違った格好となった。
2019年の天皇賞・春(JRA公式YouTubeより)
前半1000mを59.9と先頭はそこそこなペースで引っ張っていったが、中盤は大きく緩む展開と緩急のある流れに。フィエールマンは1000m過ぎの正面スタンド前で一度中団まで押し上げ、向こう正面で13.8−13.3-12.4とペースの緩んだ1600m〜2000mの地点で再びポジションをゆらりゆらりと押し上げて、5番手付近と完全に先行各馬を射程圏に捉えていた。今の京都は全体的に馬場も時計も速く、この日も連対した馬は直線入り口で5番手以内の好位で立ち回った馬がほとんど。後方一辺倒では厳しい状況を踏まえての押し上げだったのだろう。直線入り口では先頭という、流れも馬場も読み切り、馬の力を信じた完璧な立ち回りだった。グローリーヴェイズとの激しい叩き合いとなったが、ラストは馬も着差以上の強さを見せた。流石は菊花賞馬。底力は見事だった。鞍上と噛み合った素晴らしい競馬を見せた。
2着のグローリーヴェイズは、終始同じポジションで折り合いよく進んだ。向こう正面ではフィエールマンの直後に収まり、完全にマークする形に。ロスなく立ち回り、勝負どころから外から並ぶように上がっていったが、結果的にだが早め早めのフィエールマンには敵わなかった。馬の力も相手が1枚上だったのだろう。
人気の一角エタリオウは、前半の1000mがやや速めのペースで思った以上に後方のポジショニングとなり、ラスト1000m付近からロングスパートで押し上げたが、流石にあの位置からのロングスパートではキツく、パフォーマプロミスにもラストは競り負ける結果に。結果的に最初のポジショニングが厳しかったのかもしれない。そして形的には前走の日経賞と同じような負け方で、再び乗り難しさを露呈した。