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【西内荘コラム】ウオッカの早すぎる死

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2019/4/6 13:33

まだ逝くのは早すぎます…。ウオッカが亡くなったという悲報を知った時は現役時の装蹄を担当していた身としてショックのあまり、言葉を失いました。この世を去った原因が骨折からの蹄葉炎(ていようえん)発症とは残念でなりません。

牝馬としてダービー優勝時、四肢すべてが接着装蹄でした。そんなことはもちろん、ウオッカが初めて。それくらい蹄は繊細でした。かれこれ20年以上も前からウオッカの故郷・カントリー牧場(現在は閉場)の谷水オーナーから牧場全馬の装蹄依頼を受けていたので、ウオッカとは子馬の頃からの付き合い。なのでヤンチャでかわいい流星が今でも目に浮かびます。現役引退後は欧州で繁殖生活を送っていたので、私が最後にウオッカの装蹄をしたのは10年のドバイ遠征が最後。お母さん時代のウオッカに会いたかったものです。装蹄師としては競馬史に残る活躍をした名馬の装蹄を任せていただいたことは誇りですし、感謝の気持ちが尽きません。ウオッカの息子や娘のタニノフランケルとタニノミッションは現役馬で私も関わっているので応援してやってください。そして最後の子どもになるウオッカの19、にも願わくば装蹄を任せてもらいたいものです。

桜花賞の担当馬はジュランビル。さすがに相手は強くなりますが、一生懸命ひたむきに走る堅実さで上位陣にひと泡を吹かせてもらいたいものです。