競馬コラム
【チャンピオンズC レース回顧】ジュンライトボルトが新ダート王者に!テーオーケインズは不可解な敗戦
2022/12/5 06:10
テーオーケインズ1強と思われたチャンピオンズカップで、ジュンライトボルトが豪快な差し切りを決めてG1初制覇。新たなダート王者が誕生した。鞍上の石川裕紀人騎手はデビュー9年目にして嬉しいG1の初タイトルを獲得。また、管理する友道康夫調教師は意外にもダートG1は初勝利となった。
レースは前半から37.0–38.0–36.9と全体的に緩く、勝ちタイム1分51秒9も過去10年では一番遅いタイムだった。その分、隊列は密集した形で進み、後方待機勢にはやや難しい展開だったか。それでも中団から爆発力のある差し脚で差し切った勝ち馬は、とても強い内容だったかと思われる。
勝利したジュンライトボルトは、ずっと芝を使われてきて今年に入ってからダートへ転向。4戦目にしてあっという間にG1のタイトルに辿り着いた。レースでは好スタートを切って、馬なりで中団の位置へポジショニング。ゆったりとした展開にも折り合いは良く、馬群の中でもセンスの良い走りでロスなく進出した。勝負どころでは密集した馬群の真ん中で進路を探しながらとなったが、直線半ばでテーオーケインズの後ろから上手く抜け出し、強烈な差し脚を繰り出した。密集した馬群の中でも慌てることなく、進路を見出して末脚を引き出した鞍上の好プレーだった。
2着の3歳馬クラウンプライドはあわや押し切るかというところまで行ったが、前走に続いてまたしてもG1で2着。ワンパンチ足りなかった。1コーナー付近ではややかかるようなところを見せていたが、2番手で上手くグッと我慢してレースを運び、直線入口から早め先頭で押し切りを狙ったものの、ゴール寸前で勝ち馬のキレに屈する格好に。これ以上ないと思わせる運びで、今回も相手が悪かった。どんな競馬場でもコンスタントに力を発揮できる安定した走りは魅力で、来年はダート路線で主役を担っていけるだけの力は示した。
3着で2着馬と同じ3歳馬のハピもセンスのいい立ち回りで見事な好走。この世代のレベルの高さを示した。前半からしっかりと出していきインの好位で絶好の展開に。終始折り合いも良さそうで、直線あとは抜け出すだけという競馬。上位勢では最もスムーズな競馬だったと思われ、ロスなく運んで力は出し切った。
好走と凡走を繰り返し…
まさかの4着に敗れたテーオーケインズ。今回はスタートが完璧に決まったとは言えなかったが、それでもなんとか出て外目の好位へ。いつでも動けるポジションで立ち回り、道中もリズム良く進んでいるようにも見えたが、勝負どころでは今ひとつという手応えで、直線の伸びもひと息。スタートなど多少スムーズではなかったとはいえ、このクラスの馬ならあっさりと克服して欲しいところ。最近の成績を振り返ると1走ごとに凡走を繰り返すようなところもあり、 続けて使うと気持ちが切れてしまうのか、そもそものパフォーマンスを落としてしまうのか、なんとも掴みきれぬ不可解な敗戦となった。それでも評価を大きく落とす大敗とは言えず、再度次走には注視したい。
5着のシャマルは序盤からしっかりとポジションを取りに行き好位をキープ。クラウンプライドを見る形でスムーズなレース運びを見せた。距離延長で得意な距離ではなかったが、直線半ばまでしっかりと踏ん張っており、力は出し切った。ラストは甘くなったようにも見え、距離はギリギリだったのかと思われる。
8着に敗れたノットゥルノは特に不利もなくスムーズな競馬には見えたが、伸びきれず。ゆったりとしたレース展開も合わなかったのか噛み合わなかった。
12着に敗れたムーア騎乗、グロリアムンディは序盤から行き脚がつかず。序盤からあまり行く気があまりないようにも見え、最内を回ってきたが、勝負どころでは早くも圏外へ去って行った。ペースも緩い展開の中で、ここまで走らない馬だとは思えず、休み明けの分なのか、今回は走って来なかった。
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