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西内荘/装蹄の感触が良かった馬【9/24土曜版】

カリスマ装蹄師・西内荘コラム

2022/9/23 10:14

 経験したことの無い大型台風のふれ込みに身構えた先週末、栗東はそよ風くらいの風に拍子抜けだったけど、被害が無かったに越したことは無いですからよかったです。とはいえ台風が通過した今週は、一気に秋の様相で肌寒いくらいです。

 装蹄師にとって季節の変わり目は、暖かくなってくると馬の蹄は伸びるのが早くて削蹄するのに体力を使いますが、季節で言うと秋から寒くなるに従って蹄の伸びるのが遅くなります。その分、蹄は乾燥して硬くなるので多少は力を要するためどっちが楽?とかは無いですが、大事なのは削蹄する蹄刀の斬れ味 なので砥ぎ方もだけど肝心なのは蹄刀です。その蹄刀、特注でオリジナル蹄刀を業者にお願いしていた物が今週届いたのでさっそく削蹄してみましたが、これが大満足!私が使っているのは鎌形蹄壁で、現在競走馬の主流です。

 昔は直蹄刀を使う装蹄師もいたのですが、競走馬の進化と共に蹄壁が薄くなっているので競走馬に使う事は無いですが、乗馬だと今も使う事がありますし牛だと直蹄刀が主流かと思います。また、海外ではカッターナイフのような蹄刀を使うのですが、海外に行った時に、器用な日本人が技術を見せつけられるのが鎌形蹄刀ですから私専用の蹄刀があるのはうれしいかぎりです。

 今週の重賞レースに担当馬が出ていないので新馬戦のとくに感触のよかった馬をピックアップ。土曜日のハンベルジャイトとスマートメイプル、日曜日のルクルスとカンフーダンス、ただし新馬はどの馬もトモが甘いとか、完成されてはいないので素質としての感触ではあります。

●中山
11R ロードラズライト

●中京
4R ハンベルジャイト
  ライオットガール
5R スマートメイプル
6R スマートウィザード
9R スカパラダイス
10R ハギノメーテル
11R モンファボリ
   サトノジヴェルニー

【装蹄師・西内荘とは】
ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、古くはメジロマックイーンなど、年度代表馬クラスの馬を数多く担当してきた、武豊も認めるカリスマ装蹄師。

脚を持った感触で調子の良し悪しや体調の変化を繊細に感じ取り、蹄の些細な変化を見逃さず、装蹄の方法、蹄鉄の種類などレースに合わせて選択していく事が出来る、装蹄師界の第一人者。

蹄の弱い(薄い)馬に接着装蹄を施すなど、歩様、姿勢の矯正や、蹄の病を装蹄作業の中で治療していくのも西内荘の特徴の1つ。

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