競馬コラム
【菊花賞レース回顧】ロブチェンはなぜ14着に大敗したのか…出遅れだけでは説明できない三冠逸の理由
12時間前
単勝1.8倍の圧倒的な1番人気に支持されたロブチェンが、まさかの14着に敗れた。10月25日、京都競馬場で行われた菊花賞(G1・芝3000m)。史上9頭目のクラシック三冠を目指した春の二冠馬だったが、最後の直線では失速。勝ったゴーイントゥスカイから1秒3差の大敗を喫した。
スタートでの出遅れが大きな誤算だったことは間違いない。ただ、3000mの攻防を振り返ると、敗因はそれだけでは説明できない。レース前から見られた発汗、逃げ馬がつくり出した特殊なペース、道中の位置取り、勝負どころでの進出、そして距離適性。いくつもの要素が重なった一戦だった。
前半1000m58秒4の大逃げ、明暗を分けた3000mの位置取り

13番人気キンググローリーがスタートから積極的に飛ばし、後続を大きく引き離す大逃げ。
もっとも、この速いラップを刻んだのは大逃げしたキンググローリーのみ。道中では2番手以下を大きく引き離す場面もあり、後続まで同じペースで走っていたわけではない。先頭の時計だけを見て、後続も厳しいハイペースに巻き込まれたと考えるのは適切ではない。
実際、2番手を追走したシートゥサミットは5着、道中3番手につけたナリタエスペランサは16着、4番手のアスクエジンバラは17着。先行勢でも結果は大きく分かれている。好位から運んだダノンヒストリーが3着、後方で脚をためたバステールが2着に追い込んだことも考えると、極端な前崩れでも、後方一気が決まる展開でもなかった。
その中でロブチェンは、レース前から発汗が目立っていた点も気になった。発汗そのものは珍しいことではないが、普段とは異なる精神状態にあった可能性も考えられる。松山弘平騎手はレース後、ゲートでこれまでにない動きを見せたことを明かしており、スタートではタイミングが合わず出遅れた。発汗とゲートでの動きが直接関係していたかは分からないものの、レース前から馬自身の状態に何らかの変化があった可能性もある。
松山騎手は、ある程度のポジションを確保してスタミナを生かす競馬を想定していたが、1コーナーでは12番手。2コーナーでも位置は変わらず、当初のプランとは異なる展開になった。2周目の3コーナーでは8番手、4コーナーでは5番手まで進出。早めにポジションを押し上げた。
京都の外回り3000mは、2周目の3コーナーで坂を上り、4コーナーにかけて下っていく。後方から進出したロブチェンにとって、勝負どころでの位置取りと加速のタイミングが難しくなった。上り坂で脚を使い、そこから直線まで長く脚を持続させるのは容易ではない。
4コーナーでは5番手まで押し上げたものの、直線に入ると伸びを欠いた。残り200m付近では馬群に挟まれる場面もあり、最後は14着。上がり3ハロン36秒7は、勝ったゴーイントゥスカイの35秒4より1秒3遅かった。
これぞ武豊!勝つならこれという完璧な騎乗

対照的だったのが、武豊騎手のゴーイントゥスカイだ。
こちらは9、9、7、7番手で運び、道中は内でじっと脚をためた。4コーナーでも7番手にとどまり、直線では内から抜け出してハナ差の勝利。ロブチェンが早めに動いたのに対し、ゴーイントゥスカイは直線まで追い出しを待つ形になった。道中のロスを最小限に抑え、最後の直線で脚を使わせる。武豊騎手の手綱さばきは、長距離戦のお手本ともいえる見事なものだった。
さらに注目したいのが、2着バステールの追い込みだ。
1、2、3コーナーを16番手で通過し、4コーナーでも12番手。それでも直線ではメンバー最速の上がり34秒9を繰り出し、勝ち馬にハナ差まで迫った。
この結果からも、後方に置かれたことだけが致命的だったとは考えにくい。もちろん、ロブチェンとバステールでは道中の進路や競馬の内容が異なるため、単純な比較はできない。それでも、どの位置から、どのタイミングで動いたかによって、直線での脚色に差が生まれたことは確かだ。
ロブチェンは出遅れによって予定していた位置を取れず、勝負どころでは早めに動く形になった。直線で脚が上がった点からは3000mという距離への適性も気になるが、今回の一戦だけで距離が敗因だったと断定するのは難しい。
レース前の発汗やゲートでの普段と異なる動きも気になるところ。仮に五分のスタートを切り、好位から運べていたらどうだったのか。
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