競馬コラム
【JDCレース回顧】前半1000m59.1秒の超激流も…最下位イッテラッシャイ、気になる「早すぎた失速」
2026/10/8 12:22
前半1000m59.1秒。先頭を争った2頭には、相当厳しいペースだった。
10月7日、大井競馬場で行われたジャパンダートクラシック(Jpn1・ダ2000m)。不来方賞を制して3連勝中だったイッテラッシャイは、1番人気に応えられず最下位16着に敗れた。フィンガーとの先行争いから2番手につけたものの、3コーナーでは早くも後退した。
同競走の前半600m、1000mを直近2年と比べると、今年の速さがよく分かる。
・2024年 35.7秒/61.6秒
・2025年 35.3秒/60.2秒
・2026年 34.0秒/59.1秒
昨年より600mで1.3秒、1000mで1.1秒速い。今年7月、古馬の一線級が集まった帝王賞は、稍重で前半600m35.8秒、1000m60.4秒だった。良馬場だった今回は、それぞれ1.8秒、1.3秒速かった。
もちろん、馬場条件や顔ぶれの違いはある。それでも、最初の200mから12.1秒、10.7秒、11.2秒。序盤からこれだけ脚を使えば、最後まで余力を残すのは容易ではなかっただろう。
イッテラッシャイは3コーナーで脱落

レース全体の200mごとのラップは、以下のとおり。
12.1-10.7-11.2-12.5-12.6-12.6-13.0-13.6-12.7-13.0
600mを過ぎると12秒台半ばになり、1200〜1400mは13.0秒、1400〜1600mは13.6秒まで落ちた。前半1000m59.1秒に対し、後半は64.9秒。後半が5.8秒遅い、極端な前傾ラップだった。
後続は、最初からこの速さに付き合っていたわけではない。1コーナーでは先頭2頭から大きく離れていた。3着チェリヴェントの吉村誠之助騎手も「1コーナーの入りが速かったのであまり深追いせず」と話している。
その後続が、前のラップが落ちた勝負どころで差を詰める。3コーナーではロックターミガンが2番手へ。6番手にいたワンダーディーンも前へ上がり、4コーナーではフィンガーを追う位置にいた。イッテラッシャイは、その間にズルズルと後退した。
後ろにいたシルバーレシオも、3〜4コーナーで進出して4コーナー7番手。直線では先に抜け出したワンダーディーンを、外から差し切った。横山武史騎手は、前半は馬のリズムを大事にし、3〜4コーナーの反応が想像以上に良かったと振り返っている。
フィンガーは9着でも、二冠馬の底力

戸崎圭太騎手は、こう話している。
「迷ったんですけど、ちょっと速くなりましたね。とはいえ、向こう正面からちょっと苦しくなって…苦しそうでした」
前半に行き過ぎたことは認めている。ただ、気になるのは、向こう正面ですでに苦しくなっていたという点。馬の雰囲気は良く、以前あった左に張る面なども改善していたという。それでも、直線を迎える前に前の位置を保てなくなった。
ぶっ飛ばして逃げたフィンガーは9着に敗れた。それでも、4コーナーまでは先頭を守った。坂井瑠星騎手は「何がなんでもハナということで、この馬の競馬はできたと思います。4コーナーで手応えが一杯になってしまいました」と説明している。
三冠には届かなかったが、あの速さで入りながら勝負どころまで先頭を譲らなかった。そこには春の二冠馬の底力がうかがえた。
1番人気に支持されたイッテラッシャイの大敗は、ペースだけによるものだったのか。戸崎騎手は「結構、息が苦しそうなところもあったので」とも話している。序盤の消耗は大きく響いたと考えられるが、前走からプラス10kgだった馬体重が影響したのか、ほかにも要因があったのかは分からない。
フィンガーが直線入口まで踏ん張っただけに、イッテラッシャイが向こう正面から苦しくなった点は気にかかる。鞍上も報道陣を前にペースについて言及しつつも、「それにしても…」と首を傾げる場面もあった。ペースが速かったで済ませるには、あまりに早い失速だった。

コメントを書く