競馬コラム
【凱旋門賞レース回顧】日本馬との差が表れた「速さの質」…ダリズ上がり最速33秒32、最後の600mで見えたもの
11時間前
現地10月4日、パリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞(G1・芝2400m)は、ダリズが連覇を達成した。日本から参戦したメイショウタバルは14着、アドマイヤテラは11着。日本馬による悲願達成は今年も持ち越された。
France Galopが公開したトラッキングデータを見ると、今年の凱旋門賞は中盤までペースが緩み、終盤に一気に速いラップを求められる展開だったことが分かる。
逃げたメイショウタバルの1000m通過は1分03秒32。1200m通過は1分16秒11だった。
200mごとのラップは、序盤の200〜400mで11秒22を刻んだ後、12秒02、12秒63、12秒96、12秒79。坂を上っていくあたりでは明確にペースが落ちている。
勝ったダリズはさらに後方を進み、前半1200mは1分17秒22。自身の区間ラップも12秒69、13秒14、12秒74と推移した。
そこから一気にレースが動く。
ダリズの走破タイムは2分27秒11。前半1200mの1分17秒22に対し、後半1200mは累計通過タイムから算出して1分09秒89。前半より7秒33速かった。
ラスト1000mは57秒76。残り600mからは11秒00、10秒84、11秒47と加速し、France Galopの公式値で上がり600mは33秒32だった。中でも残り400〜200mの10秒84が目を引く。
メイショウタバルも残り800mから12秒17、11秒29と加速。残り400m地点でもダリズより前にいた。
ただ、そこから大きな差がついた。
残り400〜200mはダリズの10秒84に対して、メイショウタバルは11秒46。最後の200mもダリズ11秒47、メイショウタバル12秒08だった。
メイショウタバルの走破タイムは2分28秒11。前半1200mは1分16秒11、後半1200mは1分12秒00で、自身も後半の方が4秒11速い。前半から飛ばし続けて最後に力尽きた、というラップ構成ではない。
アドマイヤテラの走破タイムは2分27秒99。前半1200m1分16秒39に対し、後半は1分11秒60。残り600〜400mでは11秒09を記録したが、その後は11秒32、12秒09と推移した。
勝ったダリズとの差は、アドマイヤテラが0秒88、メイショウタバルが1秒00だった。
上がり3ハロンで日本馬は15位、16位

上がり600mを速い順に並べると、終盤での差がよりはっきりする。
1位 ダリズ 33秒32
2位 ヴァランディール 33秒44
3位 ベンヴェヌートチェッリーニ 33秒65
4位 チェスナットロケット 33秒73
5位 サンダリングオン 33秒75
6位タイ ダイヤモンドネックレス 33秒76
6位タイ カルパナ 33秒76
8位 フレンドリーソウル 33秒86
9位 ベイシティローラー 33秒93
10位タイ ミニーホーク 33秒99
10位タイ アローイーグル 33秒99
12位 モルティーズクロス 34秒00
13位 サダッド 34秒14
14位 ブライトライト 34秒45
15位 アドマイヤテラ 34秒51
16位 メイショウタバル 34秒85
勝ったダリズが上がり最速。一方、日本馬はアドマイヤテラが15位、メイショウタバルが16位だった。
ただ、2頭が完全に止まったということでもない。アドマイヤテラは残り600〜400mを11秒09、メイショウタバルも11秒29で走っている。それでも上位勢は、その先でもう一段速い脚を使った。
起伏と馬場の負荷を越えた先で33秒32

今年の数字で考えたいのは、単純な上がり時計だけではない。
France Galop発表の馬場は「Bon Souple」。日本の感覚では良〜稍重の間に近い状態だった。
その馬場で、パリロンシャン特有の起伏をこなし、坂を上り切った先でダリズは最後の600mを33秒32。11秒00、10秒84、11秒47と加速した。
33秒台という数字だけなら、日本の高速馬場でも目にする。ただ、そこに至るまでの条件は同じではない。
起伏のあるコースを進み、馬場からの負荷を受けながら、それでも最後にこれだけのスピードを使えるか。2026年の凱旋門賞では、そこが大きく問われた。
もちろん、これが毎年の凱旋門賞にそのまま当てはまるわけではない。馬場もペースもメンバーも変われば、求められるものも変わる。
今年について言えば、単純なスタミナでも瞬発力でもなく、負荷を受けた先でどれだけ速い脚を使えるかという「速さの質」だった。
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