競馬コラム 競馬コラム

桜花賞に続け──次は牡馬クラシックへ インゼル2歳世代、主役を狙う布陣…POGインタビュー

おはなしコラム

5時間前

桜花賞・ディアダイヤモンドと戸崎圭太騎手

ディアダイヤモンドが桜花賞へ初めてクラシック戦線に所属馬として駒を進め、注目度が高まっているインゼルサラブレッドクラブ。クラブ創設5年目となるこの2歳世代も粒ぞろいで、POGファンも目が離せないラインナップとなっている。

近年はクラブ馬のレベルも着実に底上げされている。とりわけ今年の2歳世代は、クラシックを意識できる良血馬に加え、ダート路線や短距離での活躍候補まで幅広く揃った印象だ。

指名の組み立て次第では“主役級”を引き当てる可能性も十分に秘めている。現時点での育成進捗や期待度を、同クラブの湯日さんに伺った。

スマートレイアー産駒や、ディアダイヤモンドの半弟など良血馬勢揃い

――まず注目は重賞戦線で活躍した母スマートレイアーのトップレイアー(牡馬/父モーリス/大久保龍厩舎)です。半姉スマートプリエールもフラワーCを勝ちましたね。

オークスを目指すようですし、他のきょうだいも皆勝ち上がっていますから楽しみな存在ですよね。トップレイアーはノーザンファーム空港にて15秒ペースで乗り進められています。息遣いも良いですし、基礎体力も備わってきています。500kgを少し超えるくらいまで成長して、募集時とは見違えるようですね。もう少し乗り込んで色々と覚えさせてからの本州移動となり、秋のデビューは十分考えられる状態です。

父がモーリスですが、母が長いところで活躍しましたので、距離も保つイメージで仕上げていただけるのかなと。募集時よりも背中がゆったりとしてきていますし、母譲りのセンスを感じさせる馬。厩舎も母からその産駒まですべて手掛けていただいていますから、安心してお任せできるかなと思っています。涼しくなってからのデビューで、王道路線を目指していきたい存在です。

トップレイアー(提供:INSEL)

――ハウマカニ(牡馬/父ドレフォン、母ハウナニ/武幸厩舎)は、2024年のノーザンファームミックスセールで7920万円(税込)で落札されています。

こちらもノーザンファーム空港にて坂路15秒ペースで乗っています。さらに乗り込んでいき、デビューを視野に入れていけそうな状態です。馬体重も514kgと立派なのですが、気の入りやすい血統なのでケアしながら調整を行っています。牧場スタッフによると、適性は芝・ダート兼用で行けそうな感触で、走りのバランスも整ってきているようです。

ドレフォン産駒も今年の桜花賞を勝っていますし、半兄よりも適性に幅がありそう。POGで選ばれるとしたら、芝でもダートでも可能性があるということで面白いかもしれませんね。暖かくなってきて鍛錬を積んでいけば、動きもガラッと良くなってきそうな感じのする馬です。

――エルヴァーレ(牡馬/父コントレイル、母スカイダイヤモンズ/友道厩舎)は、半姉ディアダイヤモンドがアネモネSを勝ち、桜花賞にも挑戦しました。

ノーザンファーム早来で15~16秒ペースで登坂しています。脚捌きも良いですし潜在能力を感じさせます。現在454kgで、もう少し伸びのあるシルエットになるのが理想的なので、リフレッシュ期間を設けながら調整しています。友道厩舎は例年、函館に馬房を確保していますので、北海道でゲートだけ通す可能性もあるかもしれません。

適性は芝中距離でしょうから、焦らず作っていければと思っているところです。上とはタイプが違う感じはしますが、種牡馬が1年ごとに変わっても勝ち上がり率は高く、お母さんは優秀だなと思いますね。

エルヴァーレ(提供:INSEL)

――スターシーカー(牡馬/父Life Is Good、母アストロロジカル/吉岡厩舎)は、三嶋牧場生産の持ち込み馬。父は2021年のBCダートマイル、2022年のペガサスWCなどを制しています。

現在はBTC(軽種馬育成調教センター)の坂路で13~15秒ペースで進めています。身体の使い方が上手くなってきて、スピードに乗ってからの動きの質に進歩が窺えますね。まだ少し幼いところがあるので、気性面の成長も促しながらじっくりと北海道で乗り込んでいきます。

アメリカ血統ということを考えると、適性はダートにありそうです。秋デビューからダートの中距離路線で結果を求めたいですね。吉岡厩舎とは2世代目のお付き合いになりますが、成績も上がってきていますし非常に期待しています。

武豊、40年の歩みを回顧「気がつけばあっという間」…40周年記念展示で浮かび上がる軌跡

ノーザンファーム空港で「評価の上がってきた」1頭とは

――クラウディーン(牡馬/父コントレイル、母メイディーン/藤原英厩舎)も三嶋牧場生産で、半兄ギュルヴィはクラブ所属で3勝していますね。

こちらもBTCで14~15秒ペースで乗っており、スピード調教にも慣れて走りのバランスも良くなってきています。ギュルヴィはダートの中距離で今後も活躍を期待していますが、クラウディーンはちょっとタイプが違いそう。現時点では父が出て芝向きなのではと思っています。

馬体自体は同時期の半兄と比べてもしっかりしていて、体力も備わっているとの評価を受けています。藤原英厩舎は入厩してから手元でじっくりと仕上げていただけるので、秋以降のデビューを見据えてさらに乗り込んでいくことになるでしょう。

クラウディーン(提供:INSEL)

――ルミナススカイ(牝馬/父エピファネイア、母スカイノダン/寺島厩舎)は、母が芝1200mで4勝をあげた快速馬です。

本馬もBTCで早い段階から13秒ペースで順調に乗り込めていたため、4月1日に本州へ移動を行っています。413kgとやや小柄ですが強い調教後も疲れた様子を見せず、牧場担当者からもかなりのスピード能力を秘めていると評価されていました。

寺島先生とも話していますが、それほど早いデビューは考えていないようです。本州でこれから暖かくなってきて調整もしやすくなりますので、さらに動きの質を高めながら馬体がもう少し大きくなってくれれば楽しめるのではと思います。

――グランエール(牝馬/父キタサンブラック、母スプリングサンダー/高柳大厩舎)も、母はCBC賞で2着などスピードのある馬でした。

こちらは高柳先生の方針でシュウジデイFの育成になり、BTCでも順調に乗り込めていたので岐阜・山岡TCに移動しています。北海道からの輸送減りも回復しており、当地坂路での調教にも慣れて15秒ペースで軽快な動きを見せています。

精神的な幼さもありますが、早めに入厩させてゲート試験ということもあり得るかもしれません。父キタサンブラックですが、母の要素が出て芝のスピードタイプかなと思っていますので、上り調子の厩舎でうまく素質を開花してもらえればと考えています。

――シルバーウィル(牝馬/父キタサンブラック、母チカリータ/松永幹厩舎)も、母産駒は5世代連続で募集されており、クラブでもおなじみかと思います。

ノーザンファーム空港で15秒ペースまで進めていますが、ここにきて評価の上がってきた1頭ですね。軽快な動きを見せていて、だいぶ基礎体力もついてきているようです。これからテンションを上げないように筋肉をつけていきたい方針です。馬体重も446kgですから、牝馬としてはちょうど良いサイズですね。

厩舎と牧場とも会話しており、仕上がりによっては函館への入厩も検討されています。父の産駒ですがスピードもありますので、マイル前後でも対応できるかなと思っていますね。松永幹夫先生も褒めておられましたし、夏のデビューを視野に進めていくことになります。

シルバーウィル(提供:INSEL)

――前半で触れていただいた他にも、コントレイル産駒が2頭いますね。

ファジュルナ(牝馬/父コントレイル、母ライラヌール/蛯名厩舎)は社台ファームにて15秒ペースで乗り込まれています。心身ともに充実してきており、馬体も徐々に研ぎ澄まされていますね。475kgと馬体も増えてきていますが、北海道でじっくり乗り込んで秋以降のデビューを見据えています。父の産駒ですから距離も持つと思います。

セレスティナ(牝馬/父コントレイル、母カラヴェッラ/高柳瑞厩舎)は生産牧場でも育成牧場でも、品のある良い馬だと評価されていました。現在はBTCの坂路で15~14秒ペースで進められていました。420kg台と少し小柄なので、リフレッシュを挟みながら心身の成長を促していきます。

クラシック戦線に向けた期待馬や、ダート路線で“ひょっとしたら面白い”馬をご紹介

――ほか、ノーザンファーム生産馬も多くいますが、オススメを教えてください。

スロノス(牡馬/父ルーラーシップ、母ラブアンバサダー/上原佑厩舎)はノーザンファーム空港で14秒程度まで進められています。まだまだ良くなりそうですし、自在性がありそうな感触だと牧場でも評価されているようです。順調ですので5月くらいの本州移動を予定しており、初仔なので少し小柄(435kg)ですが仕上がりも早そう。皐月賞に3頭出しを果たした厩舎ですし期待しています。

デアグランツ(牡馬/父サトノダイヤモンド、母スターズアンドクラウズ/鹿戸厩舎)は4月17日に美浦トレセンへ入厩しています。まずはゲートですが、夏デビューも十分視野に入れられる状態ですね。ノーザンファーム早来での評価も高かったですし、488kgとちょうど良いサイズ。中距離あたりの新馬戦からクラシック戦線に乗ってくれないかと期待しています。POG向きだと思います。

デアグランツ(提供:INSEL)

――日高の生産馬でも、期待馬が揃っていますね。上に活躍馬がいたり、芝・ダートで面白そうな馬も…。

ルナフェスタ(牝馬/父サートゥルナーリア、母ムーンライトベイ/渡辺厩舎)は半姉シゲルピンクダイヤはG1・2着、シゲルピンクルビーは重賞を勝っていますね。吉澤ステーブル在厩でハロン15秒まで進められています。場長さんも馬体は雰囲気が良いし、気性面も心配ないと褒めておられたのですが、少し繋が立ち気味なので脚元をケアしながらじっくり乗り込んでいきます。

エイミー(牝馬/父シニスターミニスター、母エルパンドール/四位厩舎)はBTC坂路で13秒まで出るようになっています。バランスも整ってきて、馬体にも張りが出て見違えるような馬になってきました。精神面も安定しており、吉澤ステーブルさんの評価もかなり高いです。父の産駒は暖かくなってグンと成長する馬が多く、この馬は楽しみですよという声も聞かれました。牝馬ですが地方でのダート重賞もありますし、ひょっとしたら面白いかもしれませんね。

エイミー(提供:INSEL)

――ありがとうございます。最後にこの2歳世代とクラブ全体の展望をお願いします。

クラシックに1頭出られたというのは、会員様も期待されているところですし、まずは良かったです。この2歳世代も、例年と同じく種牡馬はバラエティに富んでいます。牝馬ではクラシックに出走できましたが、牡馬でクラシックに乗ってほしいなという期待はありますね。他にもダートや短いところなどでも期待している馬がいますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

コメントを書く

コメント
名前

※誹謗中傷や名誉毀損、他人に不快感を与える投稿をしないように十分に注意してください