競馬コラム
【装蹄師・西内荘コラム】接着装蹄に最適な季節と進化する技術
2025/9/27 08:00
やっと今週に入り、少しは涼しくなってきました。装蹄中に大量の汗をかく私たちにとっては、これから少しの間が仕事にいちばん最適な季節です。その分、北海道シリーズに行っていた馬や夏場に英気を養っていた馬たちが帰ってきて、夏場は暇だった頭数が揃い、本拠地・栗東での仕事は通常の忙しさを取り戻しました。
土曜のシリウスステークスにはエナハツホ、サイモンザナドゥ、ラインオブソウル、ルクスフロンティアが担当ですが、今の気候に絡めて両前エクイロックス接着装蹄のルクスフロンティアをピックアップすると、接着装蹄は温度で手順が変わる技術です。その意味で言えば、今がいちばん接着装蹄に最適な季節といえます。この技術はカリフォルニアで進化したものなので、気候条件も最高の場所でした。
シリウスSには担当馬多数
まだアメリカでも接着装蹄が進化途中だった40年前、この技術を日本に持ち帰りましたが、日本の四季の温度差の中で失敗したこともあり、それは懐かしい思い出です。現在では3Dプリンターを用いた研究も進んでおり、私の時代には競走馬への実用化までは至らないと思いますが、確実に装蹄は進化しています。古くなった技術は、いつかシンザン蹄鉄のようにお祓い箱行きになるかもしれませんが、それがあったからこそ今があるのです。現在の接着装蹄技術は完成形にあり、必要不可欠なものとなっています。
●9月27日(土)
・阪神
2R スマートビガー
アーサーバローズ
6R スマートカイロス
7R ピエタンツァ
11R ルクスフロンティア
ラインオブソウル
●9月28日(日)
・阪神
4R クイーンズドリーム
6R ペンテリコン
7R カルドウェル
8R マイネルフルムーン
以上、装蹄から感じた好感触馬です。

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