【朝日杯FSレース回顧】武豊騎手の見事な手綱捌き

朝日杯FS回顧
 無敗の連勝馬5頭が顔を揃えた好メンバー戦。制したのは3番人気のドウデュースだった。

 互角のスタートから道中は中団の外めで折り合いピタリ。前後4F46・2―47・3秒の前崩れ決着を考えると、絶好の位置取りと言っていいだろう。そのまま3―4コーナーで外を回って追い上げると、直線では外にヨレたオタルエバーのアオリを受けつつも鋭伸。最後は馬場の真ん中を伸びるセリフォスの外から、ねじ伏せるようにして半馬身先着してゴールした。

 騎乗した武豊は22回目の挑戦にして初の朝日杯制覇となったが、流れに乗ったポジショニングや、馬場の荒れた内めを避けたコース取りは、まさに名人芸。なかなか当レースを勝てないジンクスもあったが、終わってみれば鞍上の手腕ばかりが光ったレースだった。スムーズな折り合いや、晩成型の父(ハーツクライ)の特徴を考えると、来年のクラシックでも輝きを放つに違いない。
 
 2着セリフォスは枠順に泣いたイメージ。勝ち馬と同様に、馬場の外めのコースを取るべく前半に出して行ったぶん、道中はエキサイトするシーンも見受けられた。勝負どころでも大外には出し切れずに、最後は外から差されてしまう形。前崩れの展開を考えても、勝ち馬との能力差はほとんどなかったとみる。ただし折り合い面を考えると、来年はクラシックよりもマイル路線の方が合うかもしれない。

【朝日杯FS】武豊「(クラシックも)非常に楽しみ」レース後ジョッキーコメント

負けて強しのダノンスコーピオン

【朝日杯FSレース回顧】武豊騎手の見事な手綱捌き

 3着ダノンスコーピオンも負けて強し。好スタートを決めたものの、ペースを読んで中団まで下げた松山の判断は悪くなかったが、勝負どころで馬群が密集して外に出せなかったのは誤算だったか。最後はセリフォスのさらに内を突いて伸びたが、コース取りとしては苦しくなった。それでいて2着との差は半馬身。多頭数の競馬を経験できたのも収穫で未来は明るい。

 以下は少し離されたが、4着アルナシームはスタートで後手を踏んで道中は中団の後ろ。直線では一か八か最内を突いたが、見せ場十分の伸び脚だった。位置取りがハマったとはいえ、直線は不利なコース取りだったことを考えれば評価できる。

 2番人気のジオグリフは5着。課題はスタートは五分に出たが、徐々に置かれて道中は後方2番手から。勝負どころでは外を回って追い上げたが、勝ち負けに加わることはできなかった。追走面や追われてからの反応を見ると、マイルの距離はやや忙しかったか。

 ほかでは6着トウシンマカオも負けて強し。先行馬に苦しい展開を、3番手追走から早めに先頭に形。最後は脚が止まったが、直線半ばまでセリフォスと競り合った姿には見どころがあった。もう少しスピードの生きる条件であれば、重賞タイトルにも手が届くかもしれない。