【マイルCSレース回顧】名牝に相応しいラストラン

マイルCS回顧

 前後4F47秒6―45秒0のスローペース。逃げた7番人気・ホウオウアマゾンが、上がり3F33秒7の脚を使って5着に粘ったことからも、前有利の展開だったことは確かだろう。

 そんな中、中団の後ろでじっくりと脚を溜めて運んだのが1番人気のグランアレグリア。2000メートルの大阪杯や天皇賞・秋ではいつもより前につける〝よそ行き〟の競馬になっていたが、やはりこの馬にはマイルの距離がピッタリと合う。勝負どころでジワリとポジションを上げ、直線で大外に持ち出されると、一気に他馬を飲み込んで差し切り勝ち。上がり3Fは32秒7という素晴らしい切れ味だった。

 戦前は天皇賞・秋から中2週のローテーションや、昨年と違って連続開催だった阪神の馬場適性を疑問視する声もあったが、周囲の雑音をシャットアウトするかのような完勝劇。これでGⅠ6勝目。稀代の名牝のラストランを飾るにふさわしい圧巻の走りだった。

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シュネルマイスターは春より確かな成長

【マイルCSレース回顧】名牝に相応しいラストラン

 2番人気のシュネルマイスターが2着。道中は中団のインで脚を溜め、勝負どころでも内をさばいて伸びてきたが、グランアレグリアには3/4馬身及ばなかった。馬場の内が荒れ気味だったことを考えると内めの3番枠がアダになった感もあるが、そのぶん勝ち馬に比べれば随分とコースロスは少なく立ち回れていた。安田記念(3着)でグランアレグリア(2着)につけられた0秒1差は詰まらなかったが、当時2キロ軽かった斤量が逆に今回は1キロ重くなっていたことを考えればよく走っている。春よりも確かな成長を感じさせる走りで、来年のマイル路線の主役を務めるのはこの馬で間違いないだろう。

 3着に食い込んだのは同じく3歳馬のダノンザキッド。道中はグランアレグリアのやや前につけて、直線でもしぶとく脚を伸ばした。上がり3F33秒0は1、2着馬に次ぐ3番目の数字。決して展開利を味方にしての好走ではないだけに、素直に褒められていい内容だった。昨年のホープフルSを勝って以降はスランプ気味だったが、ようやく実力馬が復活してきた。

 好位から脚を伸ばしたインディチャンプが4着。6歳馬ながらマイルGⅠ2勝の意地を見せた格好だが、シュネルマイスター、ダノンザキッドの3歳馬2頭にゴール前で交わされてしまった姿には〝世代交代〟という言葉も浮かんだ。

 3番人気サリオス(6着)、4番人気グレナディアガーズ(13着)はスローペースに手を焼いたようで、前半からかなり行きたがる素振りを見せていた。サリオスは今回初めて着けたブリンカーが効きすぎた可能性も。グレナディアガーズはマイルより1400メートルくらいの方がレースがしやすいのかもしれない。