【エリザベス女王杯レース回顧】流れの中心を担ったレイパパレ

エリザベス女王杯レース回顧

 1番人気に支持されたレイパパレは6着に終わったが、良くも悪くもレースの中心を担ったのは同馬だった。

 前半は若武者・団野大成=シャムロックヒルが積極的に押してハナへ。しかし池添謙一のロザムールがそれをぴったりマークして楽な逃げは打たせない。3番手には3番人気のウインマリリンがつけ、1番人気のレイパパレが4番手につけた。

 5F通過は59秒0のハイペース。にもかかわらず、そこからゴールまでのラップは12・3―12・1―12・2―12・2―11・8―12・5秒。ペースが緩むどころか加速を続けて、ようやく落ち込んだのは最後の1Fだけ。まさに息の入るところのない消耗戦となった。

 その最大の要因がレイパパレの存在だろう。5F59秒0で流れているのにも関わらず、道中はハミを噛んで行きたがる素振りを見せ続けていた同馬。向正面4番手から3角では3番手、4角では2番手と、勝負どころで息を入れてやるどころか、さらに加速してポジションを上げていった。

 ただしこれがルメールの騎乗ミスとは一概には言えない。レイパパレの前2戦、宝塚記念とオールカマーはともにスローの上がり勝負で切れ負けを喫したもの。大阪杯の時のような持久力勝負に持ち込みたかった可能性は十分に考えられる。しかし唯一、誤算があったとしたらレイパパレがハイペースにも関わらず行きたがって道中、消耗してしまったことか。今後に向けては折り合い面、あるいは距離の壁という宿題が残った。

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人気馬総崩れ

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 さて1番人気のレイパパレがハイペースにも関わらず、勝負どころでさらにポジションを上げたことで、後続の乗り方も難しくなった。その代表的な例が2番人気7着に敗れたアカイトリノムスメだろう。レイパパレの仕掛けに呼応するように3角5番手、4角3番手とポジションを上げていったが、当然これでは最後まで脚はもたない。最後は他馬と一緒に流れ込むのが一杯だった。

 そのアカイトリノムスメを4角で外から被せにいって、早め先頭から押し切って見せたのが10番人気の伏兵アカイイトだった。前半は後方13番手でじっくり待機。しかし4角では外を回って7番手まで押し上げて、勢いそのままに押し切ったのだから、スタミナは相当に高い。2走前に3勝クラスを勝ったばかりで、前走の府中牝馬Sは東京の切れ味勝負に泣いたが、常に上がりの脚は堅実に使っていた同馬。決してフロックとは言えず、今後もタフな流れになればなるほど存在感を増しそうな差し馬だ。

 2着ステラリアは中団追走から、勝負どころではワンテンポ仕掛けを遅らせたクチ。外からマクッたアカイイトをやりすごしてから追い出したぶん脚が溜まった格好で、鞍上・松山の好プレーと言えよう。秋華賞ではアカイトリノムスメの6着に敗れたが、巻き返しに成功した。ただ今回に関していえば展開の向き、不向きの差が大きかった印象。この一戦だけをもってアカイトリノムスメが弱いとか、ステラリアが強いとかは言えまい。

 3着クラヴェル、4着ソフトフルートは後方で溜めて、勝負どころでも動かなかった組。完全に展開利を味方にしての好走だった。

 最後に16着に終わったウインマリリンだが、展開不向きとはいえ同じような位置にいたレイパパレが6着に踏ん張ったことを考えると明らかに負けすぎ。中間は右肘の不安が明らかにされていたが、その影響があったということだろう。戦前から正しく情報が公開されていたことは大いに評価すべきで、同馬については今後も陣営から発信される情報にしっかりと耳を傾けて取捨を判断していきたい。